- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県東松島市
- 広報紙名 : 市報ひがしまつしま 2025年9月1日号
渡辺克司医師
Q 健康のため運動習慣をつけようと考えています。筋トレやストレッチなど、何をどの程度行えばよいでしょうか?(45歳女性)
A こんにちは。赤井で「わたなべ整形外科」を開業しています院長の渡辺克司(わたなべかつじ)と申します。運動の必要性についてお話させて頂きます。運動と言ってもきつい筋トレや長時間のランニングなどのことではなく、歩くこと、「ウォーキング」を紹介します。毎年9月は健康増進普及月間になっています。歩行能力が健康を反映すると言われています。ではどれくらい歩くのがいいのか?参考になる本を紹介します。「すべての病気が防げる長生き歩き」青栁幸利(あおやぎゆきとし)著。
この本には一日2,000歩で寝たきりを予防できる、4,000歩でうつ病を、5,000歩で認知症や心疾患、脳卒中、要介護を予防できる、一日7,000歩で癌がんや動脈硬化や骨粗鬆症(こつそそうしょう)を、8,000歩で糖尿病、高血圧、脂質異常症を予防できるという実証データが載っています。
これらの歩数は日常生活で動くのを含めていますので、家事や買物、仕事や通勤で歩く分に目標とする歩数を加えればいいことになります。この歩数のうち意識して速歩きを取り入れることを推奨しています。
ここで注意点があります。その人の状態に合った歩数やスピードで始めることが肝要です。まずはゆっくり5~10分からです。また、ストレッチを十分にすること。ウォーキング前後に行うことをお勧めします。膝、腰、股関節の悪い方や、心臓疾患、呼吸器疾患をお持ちの方は無理をしないこと。不安な場合は主治医に聞くことです。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では今よりプラス10分身体を動かすことを推奨しています。ホームページからアクティブガイドがダウンロードできますので参考にしてください。