くらし 市長コラム「天地人」渡り鳥に選ばれたまち

ラムサール条約湿地「蕪栗沼・周辺水田」が登録20周年を迎えます。
11月8日(土)、大崎市田尻文化センターにおいて、記念シンポジウムなどを開催し、これまでの保全と賢明な利用(ワイズユース)の成果を検証するとともに、次世代に教訓や知恵、思いを引き継ぎます。
ラムサール条約は、湿地環境の保全に関する条約で、人間が自然と共生する社会を実現する上で、国際的に重要な湿地が登録されます。「蕪栗沼・周辺水田」は平成17年11月8日に、世界で初めて「周辺水田」を名称に含めた形でラムサール条約湿地に登録されました。
周辺水田では冬の間、田んぼに水を張る「ふゆみずたんぼ」を実施しています。渡り鳥のねぐらを分散することで、渡り鳥と共生する環境保全型農業が推進されております。
これらの取り組みにより、登録前2~3万羽飛来していたマガンが、今では15万羽に増え、日本最大の越冬地となっております。
大崎市の人口よりも多くなったマガンは、今や大崎市の市民権を得ており、市の鳥に選定され、子どもたちのアイドル「パタ崎さん」として活躍中です。『渡り鳥からのメッセージ』という絵本にもなり、市役所本庁舎1階には「パタ崎さん家(ち)」も開設されました。
渡り鳥に気付かされた「大崎耕土」の資源、「宝」は、世界農業遺産や世界かんがい施設遺産、SDGs未来都市の認定へとつながり、世界に認められる「大崎耕土」になりました。
渡り鳥さんありがとう!!
これからも渡り鳥に選ばれ続ける「大崎耕土」を保全・継承してまいりましょう。

大崎市長 伊藤 康志