くらし ≪特集≫出水期に備えよう(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県南相馬市
- 広報紙名 : 広報みなみそうま 2025年6月1日号
毎年、日本のどこかで必ずと言っていいほど起こっている水害。集中豪雨、台風など水害が起きやすい6月から10月までの間を「出水期(しゅっすいき)」として注意を呼びかけています。水害への備えが自分や家族を守ります。
◆近年の大雨の傾向
内閣府の令和5年版防災白書によると、日本の年平均気温は世界の年平均気温より上昇傾向にあり、それと相関するように大雨や短時間強雨の発生頻度が増加しています。
本市においても、過去48年間の最大1時間降雨量は、増加傾向にあります。令和元年東日本台風等や令和5年台風第13号では、小高区で80mmを超える最大1時間降雨量を観測しました。80mmは、猛烈な雨で息苦しくなるような圧迫感があり恐怖を感じる雨とされています。
◆自助・共助・公助
防災の考え方には、「自助」「共助」「公助」があります。
「自助」:自分の身は自分で守ること
「共助」:地域や身近にいる人同士が助け合うこと
「公助」:国や地方公共団体が行う救助・援助・支援
今まで想定しなかった規模の災害が起こりうるものと捉え「自助」「共助」「公助」が一体となった地域防災力の強化に向けて、家族や身近な人と災害が起こったらどうするなどの話し合いも重要です。
▽災害時の情報入手方法
『防災メール』
スマートフォン、パソコンから防災無線で配信した情報が確認できます。事前登録が必要です。
『防災行政無線戸別受信機』
防災行政無線を聞くことができる戸別受信機を世帯に1台貸し出しています。
◆みんなで備える
地域の防災を支える人たちがいます。災害への備えを地域で広め、防災力を高めています。
▽「地区防災計画」を作成しました
地区の人たちが主体・主役の計画で、地区の災害リスクを共有し、災害への備えや災害が発生した時に、いつ・だれが何をするかを、令和6年12月にまとめました。計画づくりでは、市協力防災士の助言を得ながら、街歩きなどのワークショップを実施しました。
地域に人が少ないので、組織づくりに苦労しましたが、地域の事業所には避難所の設置もお願いしました。毎年、防災訓練を実施して、地域で防災に対する意識を高めていきたいと思います。それが地域の助け合いにもつながっていくと思います。
-小高区飯崎行政区長 森島 祐一さん
▽地域防災力の向上の架け橋「防災士」
東日本大震災時に自衛隊や消防、警察などたくさんの皆さんに助けてもらった経験から、自分たちも人を助けられるようになりたいと親子で防災士の資格を取得しました。近所の方々への声かけや市防災訓練への参加などの活動をしたり、防災リュックの点検や災害用非常食の準備をしています。
今後は、地域での避難経路や危険個所の確認、公会堂で段ボールベッド組み立て体験などの活動をしていきたいと思います。
-市協力防災士 阿部 陽佳さん、阿部 裕美子さん
防災士は、研修を受講し防災と減災の知識や技能を身に付けて、地域の防災力の担い手になる制度です。市では防災士を養成するとともに、市協力防災士として129人(令和7年4月現在)を登録し、地域の防災や市防災訓練などにご協力いただいています。
▽「自分たちの地域は自分たちで守る」消防団
消防団の活動は、火災予防や防災の啓発普及活動、火災時の消火活動、行方不明者の捜索、大規模災害への対応など広範囲です。出水期の河川の氾濫や土砂災害などへの対応として、警戒巡視や避難誘導なども行います。
団員がその地域に居住または勤務していることが多く、地元の事情や地形に通じており、消防署と連携した活動を行っています。また、団員たちは、さまざまな仕事を持ちながら、即時対応力を保有するため日頃から訓練を行っています。
-平成7年度新入団員の皆さん