くらし 市長コラム 新しい行田へ

■第27回「古墳でも足袋でもない、わがまちにある国指定重要文化財」
行田市には多数の指定文化財がありますが、その数は106!しかし、文化財とひとくちに言ってもいろいろです。分かりやすく価値の高い順にいうと、まずは国宝や国指定重要文化財など国が指定した文化財、次に県指定、そして市の指定文化財となります。ちなみに国登録有形文化財というものもありますが、こちらは、国宝・重要文化財指定には至らない、身近な文化財を所有者の申請で登録する緩やかな制度です。
前置きが長くなりましたが、行田市にある文化財というと古墳や足袋関連を連想しがちですが、古墳でもない足袋でもない国指定重要文化財がわがまちにはあります。荒木の天洲寺に祀られている「木造(もくぞう)聖徳太子(しょうとくたいし)立像(りゅうぞう)」は、聖徳太子が16歳の時、父、用明天皇の病気回復を祈願した姿を表現したものですが、国内に数多く現存する太子像の中の孝養立像では最古の作品です。
像の高さは140センチほどで、ヒノキの寄せ木造りで目には水晶が施されています。また、像の中には願い主(制作を依頼した人)の名前や像を作った理由が記されており、大変貴重な史料と評価されています。このため、昭和12年5月に国宝の指定を受け、戦後の文化財保護法の制定により昭和25年8月に重要文化財の指定を改めて受けることになりました。
天洲寺の太子像は、国宝に次ぐ重要度の高い文化財として非公開となっていますが、2月22日の聖徳太子例大祭では、年に一度だけ間近に拝むことができます。若々しい顔立ちながらも父の病気回復を願う真剣さと不安な気持ちが写実的に表現されていて、一見の価値があります。当時幕府が置かれていた鎌倉で制作され、激動の世を潜り抜け、縁あって行田市内に祀られている太子像をご覧になりませんか?
行田市長 行田邦子