健康 健康 健やかで安心して暮らしていくために-医療メモ-

■舌痛症(ぜっつうしょう)とは
本庄市児玉郡歯科医師会広報部
舌痛症とは、舌やお口の中に赤み・傷・出血や腫れなどの目に見える異常がないにもかかわらず、ヒリヒリする、ピリピリする、焼けるように痛む、乾いた感じがするといった不快な症状が長く続く状態を指します。検査を行ってもはっきりした原因が見つからないことが多く、ご本人にとっては非常につらい症状です。
痛みは舌の先や横に出やすいですが、歯ぐきや唇、上あごなど、お口の中の広い範囲に違和感が広がることもあります。見た目に異常がないため周囲に理解されにくく、大きな病気ではないかと不安を感じる方も少なくありません。特に中高年の方、なかでも更年期以降の女性に多くみられることが知られています。
症状にはいくつかの特徴があります。朝よりも夕方に痛みが強くなることが多く、何もしていないときに気になりやすい一方、食事中や会話中には痛みがやわらぐことがあります。また、口が乾く感じ、味がわかりにくい、苦味や金属のような味がするといった症状を伴う場合もあります。
舌痛症の原因は一つではなく、複数の要因が重なって起こると考えられています。強いストレスや不安、生活リズムの乱れ、更年期によるホルモンバランスの変化などが影響することがあります。また、貧血やビタミン・亜鉛不足、唾液の分泌低下、歯ぎしりや舌を動かす癖、合わない入れ歯などの刺激が症状を悪化させることもあります。ただし、詳しく調べても明確な原因が特定できない場合が多いのが実情です。
診断にあたっては、まず舌やお口の中に他の病気がないかを確認します。炎症や感染症、腫瘍などが否定され、症状が長期間続いている場合に舌痛症と診断されます。舌痛症で歯科を受診した際に、精神科や心療内科を勧められることがありますが、これは治療効果を高めるための適切な判断です。心理的ストレスや不安が痛みを強く感じさせている場合があり、専門的な治療が必要となることもあります。
治療は、主に症状を和らげることを目的に行います。お口の中を清潔に保つこと、歯周病や虫歯の治療、入れ歯の調整、栄養状態の改善、乾燥対策などが基本です。ストレスや不安が強い場合には、心のケアや少量のお薬が役立つこともあります。
舌痛症はすぐに治る病気ではありませんが、適切な対応を続けることで症状が軽くなり、日常生活が楽になる方も多くいます。一人で悩まず、医師や歯科医師と相談しながら、焦らず向き合っていくことが大切です。