文化 みよし歴史探訪

■れきしとくらし 第四十三回 新開第二遺跡
新開第二遺跡は、竹間沢にあったパン工場の北側に位置する遺跡です。この遺跡は、唐沢堀上流域の右岸台地で確認されており、昨年の広報みよし9月・10月号で紹介した新開遺跡が下流側に近接しています。
新開第二遺跡ではこれまでに3回の調査が行われており、旧石器時代・平安時代の遺物・遺構を中心に出土しています。
旧石器時代の調査では、約2万5千年から1万7千年前の石器集中や礫群が確認され、ナイフ形石器をははじめとした石器52点、礫730点が出土しました。礫には焼けた面が残っているものもあり、火を起こして調理などを行っていたと推測されます。
平安時代の遺構としては須恵器の坏(つき)を焼いたと思われる円形の土坑が確認されています。この土坑は浅いすり鉢状の掘り込みで、一方がやや深くなっていました。形状的に器を焼いた土坑と推定されますが、床面には火を受けて焼け締まった面がみられず、実際に須恵器を焼いたかはどうかは明らかではありませんでした。この遺構からは、たくさんの須恵器の坏が発見されましたが、中にはいびつに歪んだ形やひび割れて焼きあがったものも見られました。おそらく作製したものの、使い物にならなくて取り残されたのかもしれません。
また、焼成前にへら状の工具で「太」の文字を書いた坏の破片も見つかり、約1100年前の文字資料として大変貴重な発見もありました。この坏は資料館の常設展示に展示されていますので、ぜひ実物をごらんください。

問合せ:文化財保護課
【電話】258-6655