- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県千葉市
- 広報紙名 : ちば市政だより 令和7年11月号
皆さんは食事が食べられないことや自分の歯が抜けた顔を想像できますか?
そんなことあり得ないと思っている方、実は、40歳代で歯を失い始めている人が少なくありません。気づいたときには手遅れというケースも…。
歯を失えば、普段の食事を楽しむことも難しくなります。若々しい印象のためにも口元は大切です。今日からちょっと口のケアを変えてみませんか?
■あなたも歯を失ってしまうかも
◆歯を失う原因の第1位は歯周病!
歯を失う主な原因は次の3つです。それぞれが進行すると歯の保存が難しくなり、抜歯に至ることがあります。
・歯周病(歯槽膿漏(しそうのうろう))
・むし歯(う蝕)
・歯の破折(はせつ)(折れること)
歯周病は20歳代・30歳代から静かに進行し、40歳代以降で悪化しやすくなります。歯周病の始まりは症状がないので、歯に痛みがなくても定期的に歯科医院でチェックすることが歯を守るカギになります。
◇歯周病
歯周病は細菌により歯を支える歯ぐきや歯の周囲の骨(歯槽骨(しそうこつ))が壊されていく病気です。歯周ポケットが3ミリメートル以上ある場合は治療が必要です。
▽健康な状態
・健康な歯肉
・健康な歯槽骨
▽歯周病
・歯垢・歯石
・歯周ポケット
・歯肉の腫れ・出血
・歯槽骨が溶ける
◆「噛んで食べられる人生」に、歯は何本必要?
自分の歯が20本以上あると、何でもよく噛んで食べることができるので、「80歳になっても自分の歯を20本以上保つ」8020運動を推進しています。通常、大人の歯は28本ありますが、2022年の厚生労働省の調査では、40歳代で既に自分の歯を失っている方もいます。
年齢が上がるほど歯が少なくなり、60歳以降は要注意です。
▽1人平均の歯の数(本)
40歳から44歳…27.9本
45歳から49歳…27.8本
50歳から54歳…26.4本
55歳から59歳…26.5本
60歳から64歳…24.8本
65歳から69歳…23.8本
70歳から74歳…21.0本
75歳から79歳…18.1本
80歳から84歳…15.6本
85歳から…14.1本
出典:2022年歯科疾患実態調査結果(厚生労働省)
■口だけの問題では済まないことも
◆口の健康が全身の健康に影響を及ぼす
歯周病によって炎症が起こると、傷んだ歯肉から血管に菌が侵入し動脈硬化が進むことで、狭心症や心筋梗塞のリスクが高まります。
また、歯周病の炎症性物質がインスリンの働きを妨げるため、血糖値が下がりにくくなり糖尿病を悪化させます。
早食いは、消化不良・肥満・糖尿病のリスクを高めます。よく噛むことで、脳が活性化され、集中力や認知機能が高まります。食事は15分以上かけましょう。
早食いの人は早食いでない人と比べて肥満のリスクが4.4倍も高いんだよ!もっとよく噛んで!
◆口の健康が仕事に影響を及ぼす
近年、歯や口のトラブルによる日常生活のパフォーマンス低下が報告されています。歯の痛みや違和感によりストレスやケアレスミスが増加し、作業効率の低下につながります。また、口臭や歯並び、口元の不安は仕事上の対人ストレスの増加となります。
多くの職場で義務付けられている健康診断と違って、歯科健診は自ら受診しなければなりません。口の健康対策を心がけましょう。
Q.日常生活のパフォーマンスが落ちた要因となる歯や口の中のトラブルは?(複数回答)
▽パフォーマンス低下を実感(n=4,161)
歯の痛み…38.0%
歯に違和感を感じる…36.2%
口臭…28.4%
歯並びや歯の色…19.9%
口内炎ができた…19.5%
口の中に違和感を感じる…18.8%
かみ合わせ…13.8%
口の中の渇き、ドライマウス…9.5%
歯ぎしり…7.0%
その他…4.1%
出典:2024年日本歯科医師会調査結果
■健康な口を守るためにできること
◆毎日の歯磨きと定期的な歯科健診が健康な口を保つ
食べたいものが噛める、人と自信を持って話せる、健康に働き続けるためには、予防が大切です。毎日のセルフケアと定期的な歯科健診は、働くあなたを支える大事な健康投資です。いま、口のケアを始めれば、将来の歯と健康を守ることができます。
◇正しい歯の磨き方を心がけよう!
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使いましょう。歯垢の除去率は使わないと6割、使えば9割です。1日2回、丁寧に3分から5分のブラッシングをしましょう。6歳以上は1450ppmの高濃度フッ化物入り歯磨き剤の使用がお勧めで、歯磨き後のうがいは1回だけ行うのが最も効果的です。
デンタルフロス…歯と歯の接した面の狭い隙間に使用
歯間ブラシ…歯と歯の間の三角形の大きい隙間に使用
◇かかりつけ医を持って3カ月から6カ月ごとに歯科健診に行こう!
歯石除去など専門的なクリーニング、歯周病やむし歯の早期発見・治療、入れ歯の清掃、唾液の分泌促進、口腔機能の維持・向上などができます。
■お知らせ
各区の健康課で、歯と口の健康について、歯科衛生士による個別歯科相談日を設けています。区版〔本紙24面〕の健康ひろばをご確認のうえ、気軽にお申し込みください(口臭測定も行っています)。
また、歯のことをもっと知りたい、企業で口の健康に取り組みたいなど、「事業所でのお口の健康セミナー」をご希望の方は本紙掲載の二次元コードからお申し込み下さい。
歯と口の健康について、より詳しい内容は、「千葉市 歯と口の健康」で検索
問い合わせ:健康推進課
【電話】245-5223【FAX】245-5659
