- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県長南町
- 広報紙名 : 広報ちょうなん 令和7年12月号
9月27日、町民と町長が直接意見を交わすことで町政への理解を深め、今後のまちづくりに反映させることを目的として「町長との座談会」が行われました。午前の部を子育て交流館、午後の部を役場で開催しました。
ご参加いただいた皆さま、貴重なご意見ありがとうございました。
【1】蓮根生産者への支援について
生産者の高齢化が進み、若い担い手が減少している。新規就農者は5%程度しか定着しておらず、モチベーション向上につながるような支援や、研修・交流の機会を設けてほしい。
〔回答〕
蓮根生産者の減少と高齢化は町にとって大きな課題です。かつては栽培面積も多かったのですが、近年は担い手不足が深刻化しています。町としても、新規就農者の育成と支援を強化してまいります。労働力確保のための滞在型農業支援制度の活用の話も出ましたが、関係人口や交流人口を増やす取組を進めていきたいと考えております。蓮根は、長南町の特産としてゼロから築かれたものであり、次世代への継承に向けて行政としても支援してまいります。
【2】耕作放棄地や果樹の活用について
管理ができなくなった柿や梅などの果樹を希望者に貸し出し、管理・収穫してもらう制度を作れないか。放置されるよりも、地域活性化につながるのではないか。
〔回答〕
これまでそのような制度はありませんでしたが、有効な提案として受け止めております。果樹の所在や所有関係の確認など、課題はありますが、オーナー制の導入など、新しい形での利活用を内部で検討してまいりたいと思います。交流人口の拡大にもつながる取組として、可能性を探っていきたいと思います。
【3】道路沿いの草の管理について
道路の草が伸びて危険な箇所が多い。高齢者が車道に出て歩かざるを得ない場面もあり、交通事故につながりかねない。今後の管理体制はどうなっているか。
〔回答〕
国・県道については危険箇所を随時報告し、対応を依頼しております。町道は数が多く、従来は農家の方々が草刈りを担ってくれていましたが、高齢化により難しくなっています。町道すべてを行政だけで維持するのは困難であり、今後は町民と協働で対応する仕組みを整える必要があると思っています。ラジコン操作による無人草刈り機など、新たな技術の導入も検討しており、効率的な維持管理体制の構築を進めてまいります。
【4】外国人住民への対応について
近年、町内でも外国人住民が増えている。今後、雇用や生活の中でのトラブル、不法滞在などの問題にどう対応していくのか。
〔回答〕
旧豊栄小学校では生徒の多くが外国籍であり、介護施設等でも外国人が多く働いています。人口減少と労働力不足が進む中で、外国人と協働する社会を構築していくことが必要です。文化の違いによる戸惑いもあると思いますが、交流や理解を深めることで地域に溶け込み、共に暮らせる環境を整えていきたいと思っています。不法就労や滞在の問題については、現時点では自治体としての対応段階ではありませんが、必要に応じて警察等と連携してまいります。
【5】防災無線による火災情報の伝達について
火災発生から放送までに時間がかかっており、内容が1回しか流れず聞き取れない。改善の余地はないか。
〔回答〕
防災無線は消防団員を招集するために流しており、火災発生を知らせる目的の放送ではありません。放送は原則2回行うこととしていますが、消防との現場確認などのため、放送までに時間がかかる場合があります。火災発生情報等を早く知りたい場合は、消防が配信しているメール通知サービスを利用していただければと思います。
【6】大雨災害とダム放流の関係について
茗荷沢地区の浸水被害について、山内ダムの放流が原因ではないかとの声がある。
〔回答〕
山内ダムの水は、下流域の河川水位を維持するために、年間を通じて流しています。また稲刈りの時期になると、田んぼに水が必要なくなるので、少しずつダムの水位を下げる「低水管理」を行っています。これは通常行っているものなので、緊急的に放流したものではありません。
【7】小中一貫校の成果について
統合から時間が経ったが、具体的な成果はあるのか。
〔回答〕
長南町は法に基づく小中一貫型教育を導入しており、「ふるさと学習」を中心に地域と連携した教育を行っています。小中の教員が協力してカリキュラムを作成し、児童生徒の成長を一貫して支援しております。全国学力・学習状況調査で、「自分に自信がある」と答える児童生徒の割合が上昇しており、一貫型教育の成果が表れていると思っています。
【8】通学路の安全について
中学生が自転車で通る場所にイノシシが出て危ない。道の狭い場所、交通量のある場所(長南郵便局付近)での事故が心配。
〔回答〕
通学路の安全確認については、年に1回、町や警察などが合同で見回りを行っています。PTAを中心に情報を集め、対応しています。イノシシについては、子どもたちにも気を付けるよう伝えたいと思います。長南郵便局付近については、道の整備を計画しているため、今後対応してまいります。
【9】長南保育所の今後について
少子化が進む中、保育所の運営方針を教えてほしい。
〔回答〕
令和2年から5年までの出生数は概ね20人程度で推移しています。保育所については、老朽化した木造園舎を解体し、鉄筋の本園舎を改修のうえ運動場を整備する方向で考えております。保育の継続は自治体の重要な責務であり、今後も運営は続けてまいります。
【10】地域の共同作業(草刈り等)の負担について
高齢化により、地域の共同作業が難しくなっている。今後はどう対応していくのか。
〔回答〕
行政が対応する部分と、町民の皆さんにお願いする部分を明確にし、役割分担を決めたいと考えています。地域と協力しながら、無理なく継続できる仕組みを検討し、協働によるまちづくりを推進してまいります。
