- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都目黒区
- 広報紙名 : めぐろ区報 令和7年3月1日号
◎go to 村野藤吾の建築 目黒区総合庁舎
日本を代表する建築家・村野藤吾氏の作品の一つとして知られている総合庁舎の魅力を紹介していくシリーズ。
これまで紹介した記事は、区ウェブサイトでご覧になれます。
建築家 村野藤吾氏
独自の作風で300を超える個性豊かな建築を設計し、1984年、93歳で亡くなるまで数々の賞を受賞した、日本を代表する近代建築の第一人者
■vol.9 らせん階段
▽滑らかな曲線を描く、らせん階段
らせん階段は、「階段の魔術師」と言われた村野の代表作の一つです。保険会社の建物だった頃、駒沢通りから入った来客者は、アルミ格子の外観、車寄せの庇(ひさし)、南口のエントランスホール、らせん階段とさまざまな村野の空間構成を満喫してから、4階の役員応接室に招かれました。
らせん階段は鋼鉄製で、最初の1段目があたかも浮いているように始まっています。階段裏側の滑らかな仕上げなど、細部に至るまで村野の階段に対する深い思い入れを感じることができます。
構造的には、中央のアクリル製照明器具が仕込まれた柱でつられている「つり階段」です。つり材を照明器具と一体化することで、階段の造形を損なうことなく、さらに吹き抜け空間のシンボル的な役割を担っています。
また改修工事では、安全確保のために新たな手すりやポリカーボネート板を取り付けましたが、村野のデザインに配慮し、その曲線をトレースした形にしています。
問合せ:総務課庁舎管理係
(【電話】5722-6107、【FAX】5722-9315)