- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都日野市
- 広報紙名 : 広報ひの 2025年9月号
■日野市役所にある「被爆の石」と増田勉「独語」
市役所1階の守衛室付近に「被爆の石」と、画家・増田勉の油絵「独語」があります。
旧広島市役所の敷石であった被爆石は広島の原爆で爆心地から1.2km地点で被爆したもので、昭和60(1985)年に広島市から譲渡されました。
「独語」は広島の教員で多くの生徒を原爆で失い、自身も被爆者である増田勉が描いたものです。「独語」の黒い画面に目を凝らしてみると、焦土の中の瓦礫と共に、誰のものとも分からない骨や、石か骨かさえ分からない何かが描かれています。そして目を凝らさないと見えなかったものが、逆に私たちに語りかけてくるのです。「語り続ける/石たちは/今もなお」(増田が「独語」に寄せた言葉)。
昭和20年8月6日、広島に投下された原子爆弾は、多くの人々の命を奪いました。そして今もなお、その時の放射線による健康被害が続いています。
増田の描いたものは、まさに瓦礫の下にある、形さえ残らない名もなき人々のあまりにも無残な死に様です。
これらはきのこ雲の下で起きていた核の地獄を私たちに伝える大変貴重なものです。市役所にお越しの際は、ぜひご覧ください。
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問合せ:郷土資料館
(【電話】042-592-0981)