文化 あつぎ郷土博物館連動企画 學藝員のススメ 第72回

博物館の学芸員が、あれこれを語り倒すコーナー。

■黄色いチョウは相模毛利氏破滅の予兆
飯田 好人
天気予報がなかった時代、人々は生き物の行動や自然のわずかな変化から天候を予測し、災害に備えていました。現在、開催中の企画展「記録されたあつぎの災害」では大山やナマズ、ナスなど、天候の変化や災害との関わりを持つものを取り上げています。今回は、鎌倉幕府の歴史書「吾妻鏡(東鑑)」から、予兆や伝承の記事を紹介します。
書によると、宝治元年3月17日(1247年4月23日)、「黄色いチョウが約3メートル幅で3段の列をなして群れ飛んでいた」という記録が残っています。「黄蝶群飛(きちょうむれとぶ)」と記されたこのチョウの行動は、同年6月に鎌倉市中を戦火にのみ込んだ宝治合戦の前兆だったとされています。この合戦で、市域の大半を占めていた毛利荘の領主・毛利季光は命を落としました。チョウの他にも、人魚の漂着や赤潮の発生も合戦の予兆だったのではないかと書には記されています。
展示は11月30日までです。皆さんのご来館をお持ちしています。

問合せ:あつぎ郷土博物館
【電話】225-2515