くらし 新潟県総合計画「住んでよし、訪れてよしの新潟県」の実現に向けて(1)

本県の人口は、今後も減少局面が続くと推計されていますが、そのような中でも、将来的に人口を安定させ、少ない人口でも成長力のある、持続可能な社会を築くことが必要です。県では、出生数の増加や若者の転出の抑制につながる政策を重点的に進めるとともに、多様化・複雑化する課題に分野を越えて対応していきます。
ここでは、今後8年間で取り組むべき6つの重要課題について、そのスタートとなる今年度の取組を紹介します。

■6つの重要課題
◆1 子育てに優しい社会の実現
▽課題
・出生数や合計特殊出生率は近年、低下傾向にあり、令和5年の統計では過去最低
・家事・育児負担が女性に集中

▽めざす姿
ライフステージに合わせた切れ目のない支援を社会全体で行うことにより、誰もが安心してこどもを生み、子育てに喜びを感じ、未来を担うこどもが希望や夢に向かって取り組むことができる社会を実現します。

▽令和7年度の主な取組
(NEW)放課後児童クラブ等支援交付金…2億5,000万円
こどもを生み育てやすい環境を整備するため、市町村による放課後児童クラブ等のサービス拡充に要する経費を支援

(拡充)「出会いの一歩・縁結び」応援プロジェクト…9,149万円
市町村が主催又は補助する気軽な出会いイベントに対して支援

(継続)新潟県こむすび定期事業…11億1,249万円
入園前と入学前に満期となる「新潟県こむすび定期」を出生時にお渡し

(拡充)女性にとって魅力ある新潟の実現…8,369万円
「えるぼし」認定件数割合全国1位を目指し、現行のハッピーパートナー企業登録制度に代わる新たな企業認定制度を創設し、女性が働きやすい職場づくりに取組む企業を支援

「えるぼし」認定とは…?
女性の活躍に関する取組の実施状況が優良な企業を認定する厚生労働省認定制度
本県は、「えるぼし」認定の件数割合が全国5位!

◆2 持続可能で暮らしやすい地域社会の構築
▽課題
・生産年齢人口の減少が進む中、様々な分野で人材不足が顕在化
・人口減・高齢化が進展し、交通・買い物・医療など、暮らしを支える生活サービスの提供機能の低下・喪失が懸念

▽めざす姿
適切な医療・介護サービスが受けられる体制や持続可能な地域の移動手段の確保など、住み慣れた地域で安心して生活できる地域社会を構築します。
地域の暮らしと経済が維持できるよう多様な人材の育成・確保を図ります。

▽令和7年度の主な取組
(NEW)厚生連などの医療機関への経営支援…27億8,654万円
患者減少や物価高騰等による経営状況の急変を踏まえた財政支援を実施

(NEW)ライドシェア導入支援事業…1,000万円
交通空白地等を解消するため、市町村や交通事業者等が取り組むライドシェアの導入を支援

(NEW)「棚田県」新潟日本一の魅力満喫事業…390万円
交流人口拡大・地域の持続的発展につなげるため、「にいがた棚田フォーラム」を設置
本県は、農林水産大臣認定の「つなぐ棚田遺産」の数が全国1位!

(NEW)「県立高校の将来構想」推進事業…5,595万円
AI、データサイエンスなどをテーマとした普通科系新学科等のモデル構築を進めるとともに、大学と連携したカリキュラム開発や教員の英語力向上に向けた派遣研修等を実施

◆3 高い付加価値を創出する産業構造への転換
▽課題
・本県の1人当たり県民所得は、1人当たり国民所得を下回っている状況
・産業別の労働生産性は、農林漁業等を除くほとんどの産業で全国を下回っている状況

▽めざす姿
意欲ある県内企業等による変革と挑戦を後押しすることで、消費拡大や生産性向上へとつながる地域経済の好循環を実現します。
新しいビジネスに挑戦しようとする若者や企業等に選ばれる新潟を実現します。

▽令和7年度の主な取組
(NEW)官民連携地域創生推進事業…10億円
新たに組成する官民連携ファンドを通じて、地域経済・社会の活性化につながる民間の長期投資プロジェクトを資金面から後押し

(NEW)ぼうさいこくたいプロジェクト…3,823万円
防災産業の先進的な取組を全国にアピール

防災推進国民大会(通称:ぼうさいこくたい)とは…?
国内最大級の防災イベント。第10回の今年は新潟県での開催です。中越地震等の経験や教訓を次世代に伝え、将来の災害に備えます。
9/6(土)、7(日) 朱鷺メッセ(新潟市)で開催
※入場・参加無料

(拡充)スマート農業イノベーションによる「儲かる農業」の実現…4億250万円
企業や大学等と連携し、全国でも最先端のスマート農業技術を活用して農業の構造転換を強力に推進

※次のページに続く