- 発行日 :
- 自治体名 : 福井県
- 広報紙名 : NEWSふくい 75号
県では、こどもや若者、子育て世代の多様な夢や希望をかなえ、社会全体でこども・子育ての“よろこび”を分かち合い次世代へとつなぐ「ふく育県」を目指しています。実現に向けた県の取り組みを紹介します。
県はこれまで、第2子以降の保育料無償化や不妊治療への助成、全国に先駆けた多子世帯の高校授業料無償化など、全国的にも手厚い子育て支援を展開してきました。また、男性の育休取得促進、キッズ・ベビーシッター「ふく育さん」による家事・育児サポート、県内市町の全天候型遊び場整備への支援など、家庭・地域・企業と連携し、子育て環境の充実も図っています。こうした取り組みもあって、令和6年の本県の合計特殊出生率は1・46と、全国平均の1・15を大きく上回り全国2位に順位を上げました。
一方で、三世代同居の減少や核家族世帯の増加などにより、家庭における個々の負担が増えつつあります。また、結婚・出産・子育てに希望を持ちながら、それを実現できていない人もいます。誰もが安心してそれぞれのライフコースを歩み、希望をかなえられる環境づくりが求められています。
こうした課題の解決のため、県では令和7年3月に「福井県こども・子育て応援計画」を策定しました。策定にあたって、こどもや若者、子育て当事者約1万2千人からいただいた意見や提案を、今後の目指す姿や施策の方向性に反映させています。本計画では「こども・子育ての“よろこび”を次世代につなぐ『ふく育県』へ」という基本理念を掲げ、地域の支援団体や関係機関、市町等と協働しながら、さまざまな取り組みを進めていきます。
■ふく育サービスがあなたの家庭を全力サポート!
◆ふく育さん
ご自宅等に訪問し、家事・育児をサポートする県独自のキッズandベビーシッターです。保育士・看護師などの有資格者も多数在籍。
○こんな時に!
・こどもを一時的に預かってほしいとき
・育児中のお父さん、お母さんがリフレッシュしたいとき
・こどものお世話や家事のお手伝いをお願いしたいとき(炊事、掃除、洗濯など)
○利用者の声
毎日ワンオペで子育てをする中、ふく育さんにこどもを預けて一人でカフェに行き、リフレッシュすることができました。すみずみ子育てサポートの補助があるので利用料金が1時間500円からと非常に利用しやすいと感じました。
◆ふく育タクシー
妊婦さんや子育て世帯の外出をサポートするタクシーです。県の認定研修を受けたドライバーが運行します。
○こんな時に!
・妊婦健診時の通院
・親子での外出
・こどもの習い事の送迎 など
○利用者の声
夕方は特に、こどもの習い事の送迎の合間に買い物をしたり、保育園に迎えに行ったりと、毎日が分刻みのスケジュール。タクシーならこどもだけでも安全に到着できるので安心です。習い事の送迎をしてもらえて時間を有効活用できています。
◆ふく育サービスプラットフォーム
ふく育さんとふく育タクシーを簡単・気軽に申し込みできるオンライン窓口です。
○ふく育さんとふく育タクシーの両方に使用できる共通利用券を配布します!
・令和7年4月1日から令和8年3月31日までにこどもが生まれた家庭
金額:1000円分
※お住まいの市町を通じて生後4か月頃までに配布します。
・ひとり親家庭や多胎児、医療的ケア児を育てる家庭
金額:48000円分
※ふく育サービスプラットフォームから事前申請が必要です。
キーワード:(1)ふ
■〔インタビュー〕子育てに関わる人の小さな声を大切に。
若手職員が重要課題解決に取り組む県庁の「ディレクター制度」。
「こども応援ディレクター」として活動する武原智美さんに聞きました。
―県は今年度、副知事をトップに部局横断で子育て施策を検討する「ふく育推進チーム」を結成。子育てを重点項目のひとつとして打ち出しています。
武原:私は県外で就職し、子育てをした経験もあるのですが、福井県は非常に子育て施策が充実していると思います。ふく育推進チームはその象徴ですね。ただ、制度があれば子育ての悩みがすべて解決するわけではありません。そのために小さな声を現場で拾っていくのが、ディレクターとしての私の役割だと思っています。
―どのような活動をしているのですか。
武原:子育て世代とのおしゃべり会などで直接話を伺ったり、県内の中高生、大学生と「ふくいわくわくmakers」というグループを立ち上げてこどもの居場所をテーマにワークショップを行ったり。子育てに悩んだ経験がある方やそうした人のお世話をしている方にサポーターになっていただき、協働してイベントを企画するなどしています。
―手ごたえはどうですか。
武原:活動の中で、アンケートでは見えない、いろいろな困りごとがわかってきました。そうした小さな声を丁寧に拾い上げて関係機関につなぐことで、地域が少しずつ良くなっていくのを感じられたとき、やりがいを実感します。
―今後の抱負を教えてください。
武原:福井県は全国に先駆けて様々な制度で子育てを応援しています。これらの制度が子育てに関わる方々の支えとなり、さらに使いやすくなるよう、現場の声に耳を傾けていきたいです。そして、こどもや保護者、当事者の目線に立ち、みなさんと行政をつなぐ架け橋のような存在になれたらと思っています。
○こども応援ディレクター
武原智美(たけはらともみ)
県外からUターンで帰福し、社会人採用で県庁に入庁して4年目。
これまでも、こどもや障がい児に関する仕事をしてきた。自身も4人のこどもがいる。
お問い合わせ:こども未来課
【電話】0776-20-0341