- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県小海町
- 広報紙名 : 小海町公民館報 第564号
多文化共生アート展 アートを通じてつながる
11月29日から12月22日まで、小海町高原美術館にて、多文化共生をテーマにしたアート展「Connect through Art―カラハリ砂漠のサン族が描く世界」が開催されました。本展は、国や文化、言語、さらには身体や感覚の違いを越えて、人と人が“つながる”ことを目指して企画されたものです。
アート鑑賞は、言葉に頼らず、心で「感じる」ことで相手の世界を理解し、つながることを可能にしてくれます。今回の展示では、「異なる文化や価値観を理解し合い、互いを尊重しながら共に生きていく」という多文化共生の理念を、アートを通して来場者に体感していただくことを目的としました。
展示作品は、アフリカ・ボツワナ共和国に暮らすサン族のアーティストたちが参加する「クル(Kuru)アートプロジェクト」の版画や油絵を中心に、現地の工芸品(椰子の葉で編まれたバスケットや、ダチョウの卵殻を使ったアクセサリー)なども紹介されました。サン族は太古からカラハリ砂漠で狩猟採集を営んできた人々で、自然と深く結びついた暮らしの中で独自の精神性と世界観を育んできました。作品には、身近な動植物や祖先から伝わる神話、砂漠の大地の気配が鮮やかに描かれ、小海から遠く離れたアフリカの息づかいが力強く伝わってきました。
また、本展は長野県主催の障害者アート展「ザワメキアート」と同時開催されました。障がいのある方々とサン族のアーティストには、どちらも「正規の美術教育にとらわれず、自分の内側から生まれるままに表現する」という共通点があります。こうした“生の芸術(アール・ブリュット)”を通して、文化や環境が異なっても、人の内面から湧き上がる創造性には普遍性があることを感じることができます。
今回の展示内容の一部は、1月中も北牧楽集館の展示スペースで引き続きご覧いただけます。また、小海図書館では展示と連動し、南部アフリカに関する書籍を企画コーナーで紹介・貸し出ししています。今回のアフリカのアートとの出会いをきっかけに、今後さらに他の国や地域の文化にも関心を広げていただき、地域の多文化共生の取り組みへとつながっていくことが期待されます。
