くらし 地域おこし協力隊通信 Vol. 106

(青倉地区担当 市川貴章)

◆任期、残り1年を迎えて
栄村に来て、間もなく2年が経とうとしています。冬の雪、春の山菜、初夏のツバメ、秋の虫の音と押し寄せてくるカメムシ、季節が巡るたびに命の刹那と愛おしさを感じます。

私は一昨年、青倉米の販売促進の任を受け、栄村へやってきました。集落営農の一員として従事する中で「美味しい米を消費者に届け、自分たちで作った米の価格は自分たちで決める」という“思い”に感銘を受けました。もちろん価格は需要と供給で成り立つものですが、思いがあれば米づくりの可能性はこれからも広がっていくと思います。

この2年の取り組みを少しご紹介します。まず着手したのが販路の開拓で、栄村の姉妹都市(東京都武蔵村山市、横浜市栄区)と私の出身地である東京都杉並区にエリアを絞り、販売促進活動を行いました。具体的には新聞の折込チラシを活用した新規顧客の獲得です。同時に商品の付加価値をアピールし、差別化を図りました。具体的には、“信州の環境にやさしい農産物認証”取得と商品パンフレット(リーフレット)の作成、それに付随して記者発表を行いました。引き続き商品価値と付加価値を高め、新規顧客の獲得に取り組み、顧客満足度の向上につなげていく必要があります。

私が着任した2024年3月は、前年の記録的な猛暑と供給量の不足により「令和の米不足」がささやかれ始めた頃でした。私のミッションである米の販売促進は、米不足の追い風もあり順調に経過しましたが、正念場はこれからです。米価が下落しても、「青倉米」にあっては、昨年並みの水準で集落の皆さんからお米をお預かりし、消費者へ届けることが最大の役割です。ここにきて「今年の秋の米の概算金や買取価格は下がるのではないか」ということを耳にするようになりました。「青倉米」の安定(自走)に向けて、この1年しっかり米の価格の維持に繋がる準備をしていきたいと思います。

栄村の米は、世界的にも稀な環境で育てられた米です。良質な米をつくり、米の販売価格にも主体的に携わっていく、これからもそんな一助になれたらと思います。