- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県小山町
- 広報紙名 : 広報おやま 令和7年9月号
『富士山の恵みが小山の礎』
日本が近代国家への道を駆け上がった明治時代。森村市左衛門などの経済人の牽引により、日本六大紡績の一つである富士紡績が小山に進出しました。
明治31年、富士紡績が操業を開始。1500馬力を超える水車動力がうなりを上げました。
工場立地の強い動機は富士山にありました。小山の地を古くから支えてきた水資源は、絶大な魅力だったのです。工場は水車動力から水力発電へと転換。町は沸き立ちました。しかし富士紡績は、操業まもなく経営の危機に直面します。
この瀕死の富士紡績を救ったのが和田豊治でした。昼夜を問わず自ら工場に出向き、わずか1年で赤字を全額解消しました。その経営手腕により、後に和田は「第二の渋沢栄一」と評されました。
和田の遺志により、東京の邸宅が小山の地に移築されてまもなく100年を迎えます。信仰の対象と芸術の源泉として名高い「世界文化遺産富士山」。その恵みである「豊富な水」が織りなした産業革命。かつてあった巨大工場を見下ろす豊門公園に立つと、園内で遊ぶ子どもたちの声とともに、時代を切り開いた開拓者の足音も聞こえてくることでしょう。
お子さんと一緒に我が町の歴史空間へ出かけてみてはいかがでしょうか。
→生涯学習課
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