市民病院発 ほのか診察室 202話

■突然の病気や入院どうしたらいい?
監修 市民病院 医療福祉相談室

単独世帯や高齢者世帯の方が突然、病気や怪我で入院や介護が必要になった場合どうなるでしょうか。世帯の状況から介護力不足やサポート不足などの要因でさまざまな困難に直面する恐れがあります。
すぐに身の回りのサポートをしてくれる人がいれば良いのですが、親族が遠方で暮らしており、駆けつけることができなかったり、親族と疎遠になっており気軽に頼むことができなかったりするなど、「頼れる人」がいないと全ての困りごとを自分で解決していかなくてはなりません。

2022年厚生労働省「国民生活基礎調査の概要」の世帯構造によると、単独世帯は全世帯の32・9%で最も多く、世帯類型をみると、高齢者世帯は全体の31・2%となっています。今後も、少子高齢化や核家族化、未婚率の上昇などの影響でさらに単独世帯や高齢者世帯の割合が増加していくことが予想されています。

あなた自身で意思決定ができなくなったとき、誰があなたの治療方針を判断するのでしょうか。さらに治療や入院に伴う手続き等は誰が行うのでしょうか。

年齢に関係なく、「予期せぬ出来事」は誰にでも起こり得ます。単独世帯や高齢者世帯の方に限らず、誰もが普段から先のことを考えて備えておくことが大切です。

人生会議という言葉を聞いたことはありますか。ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とも言われています。人生会議とは、もしもの時のためにどのような医療やケアを希望するか、それを受けるために大切にしていることや望んでいること、その具体的な内容を家族や医療従事者など周囲の信頼する人たちと話し合うことです。本人が望めば、友人等も含むことができます。話し合いの結果は記述し、定期的な見直しやケアに関わる人々の間で共有されることが望ましいとされています。

あなたが今後の人生をどのように過ごしていきたいのか、まずは、身近な人と話してみてはいかがでしょうか。何気ない会話の中から、漠然とした不安を解消できるヒントが見つかっていくかもしれません。

当院の医療福祉相談室には医療ソーシャルワーカーがいます。医療ソーシャルワーカーは、患者やその家族の相談に応じ、社会福祉の立場から問題解決をする専門職です。
疑問に思うことや不安なことがあれば、ご自身が受診している医療機関に医療ソーシャルワーカーがいるかを確認し、お気軽にご相談下さい。

問合せ:市民病院(代表)
【電話】22-2171
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