くらし 【特集2】人と地域をつなぐ道の駅 もっくる新城(1)

この特集は市民編集委員が企画・取材しました

道の駅は安全で快適に道路を利用するための道路交通環境の提供、地域のにぎわい創出を目的とした施設です。道の駅には、24時間利用可能な駐車場、トイレが備わっています。また、その地域の交通情報や観光情報、緊急医療情報なども知ることができます。全国には1,230駅あり(6月現在)、市内にも3駅「鳳来三河三石」「つくで手作り村」「もっくる新城」があります。その中で、今年10年目を迎えた「もっくる新城」の田原駅長にお話をうかがってきました。

■地元の人も楽しめる場所に!
その土地の魅力がぎゅっと詰まった道の駅。地域の魅力を発信する拠点として機能し、今や旅の目的地のひとつとして、大勢の人が訪れる場所になっています。地元産の新鮮な野菜やブランド肉、パンなどがリーズナブルに購入できたり、食事ができたりするのが魅力です。

◇市外の商品がたくさん!
今回お邪魔した「道の駅もっくる新城」では、地元産の新鮮野菜や特産品などはもちろん、市外や県外の商品も多く陳列されています。これには、実はこんな理由が。それは、道の駅は観光客に来ていただくのと同じくらい、地元の方に利用していただく場所であってほしいと、田原駅長の思いがあるからだそうです。あそこに行けば、常に美味しいものや珍しいものがあったり、フェアをやっていたりと、「美味しいと楽しいが同時に味わえる場所であるということを地元の人に認知してもらいたい。」そんな思いで、年間10数回程度のフェアを行っています。
土地柄、野菜を近所の方からいただくことも多いことから、産直コーナーなど地元商品以外の商品も豊富に取り扱うようになったそうです。

◇全国の珍しい商品も!
取材時は「夕張メロンフェア」を開催中でした。夕張メロンがこの地方で取り扱われるのは、実はごくごく稀なんだとか。過去には島根県のシジミや茨城県の納豆、宮崎県のマンゴーなど全国各地のおいしい商品や、ネット販売では手に入りにくい珍しい商品までさまざまな商品が並んだそうです。
次回はどんな商品、どんな楽しい企画を打ち出そうか、お客さんの喜んでくれる顔を想像しながら企画を考えているそうです。

■地域の未来を担う原動力にパワーを!
◇空腹知らずな高校生
新城有教館高校の購買はもっくる新城が運営しています。地元の高校生がお腹を空かせないよう、おにぎりやサンドイッチはどれもビックサイズで食べ応え十分。購買は、部活動後の生徒も利用できるよう午後6時30分まで営業しています。少しでも長く営業して、お腹が空いている生徒を減らそうと考えているそうです。
「高校での販売はとても面白い。ここには商売の原点が詰まっている。」と笑顔で話す田原駅長。「高校生は流行に敏感で、とにかくすぐ飽きる。」どうしたら売り上げを維持できるか考えることが難しいし、楽しくもあるそうです。

◇生徒の前で実演販売!
月に1度は「シズル企画」として、生徒の前で田原駅長自らが実演販売しています。取材をした日は「たこせん」の実演販売中。購買中がたこせんの香ばしいにおいで充満していました。「出来立てでおいしいよ!」と生徒に声をかけながら熱した鉄板の前で、たこせんと格闘する田原駅長。たこせんの焼き上がりを待つ生徒たちの行列は購買の外まで続いていました。
高校生受けしている商品ナンバーワンは、「鶏とろ」という鶏肉の肩肉からあげ。なんと、卒業式の答辞でも「購買のからあげの味は忘れません」とうれしい言葉をいただいたそうで、経営者としてとても励みになっているそうです。