健康 知っとこうか!公立甲賀病院

◆第38回 糖尿病合併症の予防について知っとこうか
公立甲賀病院 副院長 糖尿病・内分泌内科部長 大村 寧(おおむら やすし)

Q.糖尿病の合併症とはどのようなものがありますか?
血糖値が高い状態が何年も続くと、糖尿病の三大合併症といわれる、神経障害・網膜症・腎症が生じます。これらは細く小さな血管が集まる手足の神経・眼・腎臓が損傷されることで起こります。また心臓・脳・足の大きな血管が傷つくと動脈硬化という状態になり、これはコレステロールや血圧の高い人、肥満、喫煙者でさらに危険が増します。他にも肺炎・水虫などの感染症、歯周病、骨粗しょう症なども起こりやすくなります。初期には症状がなく、気づいた時にはかなり進行して元に戻らなくなり、生命に関わることもあるので、早期発見・治療・継続が大事です。

Q.合併症を予防するには?
HbA1c(1~2カ月の血糖値を反映)を7.0%未満に維持することが推奨されていますが、最適な数値は一人一人異なるので主治医とご相談ください。血糖以外に血圧・コレステロール・体重の管理、禁煙、足や口の中を清潔に保つ習慣、眼科・歯科診察、血管や骨密度の検査を定期的に受けることも重要です。今は糖尿病であっても、適切な治療で合併症の進行を予防すれば、糖尿病のない人と変わらない生活が送れる時代です。
当院では多くの診療科・メディカルスタッフによるチーム医療体制で、糖尿病の治療・合併症予防に取り組んでいますのでぜひお気軽にご相談ください。

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