- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府亀岡市
- 広報紙名 : 広報かめおか 令和7年6月号(第047号)
■岡部長盛と古世町
初代亀山藩主岡部長盛の発給文書のなかで注目されるのが、関氏に与えた文書です。
この文書は、縦26.4×横38.1cmの竪紙に書かれたもので、巻子に仕立てられ、代々大切に保管されてきました。
大切に保管されてきたのは、この文書によって関氏の権利が保障されたからで、文書を読むと、米二十石を与えるとともに人夫役のほか、諸役を免除すると書かれています。また関氏が召し抱えていた作人にも二石ずつ与えるとしています。
さらに末尾には「自分が城主である時は言うまでもないが、城主が変わったとしても次の城主へこの内容を引き継ぎます」とまで書かれています。関氏にとっては、永代の権利免除が保障されたことになり、家に大切に保管されてきたことも納得できます。
ではなぜこのような特権を付与されたのでしょうか。文書の冒頭には「古世町の田地において、庄屋らが不正を働いていたのを詳らかに藩主へ報告したことに、岡部はとりわけ感じ入った」と書かれています。不正の通報により、永年にわたる特権を付与されたというわけです。
ちなみに、この文書は「古世町」の初見史料であり、当時の町と村のあり方を考える上でも貴重な文書です。