くらし COLUMN(コラム)

■手話で語ろう(13)
◇手話は大切なことば
中野さん

※ろう者=聴覚に障がいのある人のうち、手話を意思疎通の手段として用いる人

私は大阪市で生まれました。生まれつき耳が聞こえなかったと母から聞いています。他に兄弟もいますが、家族の中で聞こえないのは私1人でした。家族で話をしていて、何を言っているのか分からないときは、ゆっくり口を動かしてもらうか、紙に書いて教えてもらいました。
学校は大阪市立ろう学校(現大阪市立聴覚支援学校)に小学部から入学し、高等部まで通いました。手話は学校の先輩たちから教えてもらって覚えていきました。高等部3年の時に、みんなで東京に行ったことが思い出に残っています。卒業後はベルトを作る会社に入社し、社長に仕事を丁寧に教えてもらいました。会社の人とのコミュニケーションは身振りが多かったです。大変なこともありましたが、社員旅行に行ったり楽しく過ごすことができました。
その後、結婚して河内長野市で住み始めました。夫もろう者です。娘が3歳になると保育園に預け、私は就労継続支援B型作業所に通い始めました。
娘が熱を出した時は、夫と2人で病院に連れていき、手話通訳の方に通訳してもらったおかげでお医者さんの言っていることが分かり、とても助かりました。
子育てと仕事との両立は大変な面もありますが、その作業所に約20年通所しています。自分が先輩として、他の利用者の方に仕事を教えることも増えました。今では夫も同じ作業所に通所し、お互いのことが確認できて安心です。
以前、作業所の職員で手話ができる方がいました。その方には仕事だけではなく、個人的な相談も聞いてもらい、様々なサポートをしていただきました。とてもありがたかったです。ろう者にとっては、やはり手話が一番分かりやすく、伝わりやすい大切な「ことば」。みなさんも少しずつでいいので、手話を覚えてもらえると嬉しいなと思います。

◇覚えておきたい簡単な手話
「遊ぶ」
・両人差し指を立て、肘を曲げて、同時に左右に振る