子育て 〔特集2〕学校のDX化最前線

児童生徒の可能性を拓く
「個別最適」と「協働」の学び

市では、国が推進するGIGAスクール構想(令和2年開始)以前からICTを活用した教育活動に注力しており、構想始動の同年10月には、全児童生徒に1人1台、5000台以上の端末を整備しました。現在、この端末と強力な通信環境を最大限に活用し、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実させ、「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指した教育活動を推進しています。

■今、学校の授業では
◇主体的・対話的で深い学びにつながる活用
すべての子どもたちが、自ら学びを深めるために、ICTが積極的に活用されています。授業中に疑問が生じたり、気になることがあれば、すぐに端末(1人1台ずつ整備されているタブレットPC)で調べることが可能です。
また、本市が導入する学習支援ツール「スタディサプリ」や「eライブラリ」、府教育庁が開発したAI搭載の英語学習ツール「BASE in OSAKA」などのデジタルコンテンツを積極的に活用し、学習内容の定着や補充的・発展的な学習に取り組んでいます。知識の定着度を確認するテストや、解法を解説する動画教材を繰り返し視聴することで、生徒の個別最適な学びにつなげることを目指しています。
さらに、「ロイロノート」などの協働学習用ツールを効果的に活用し、友だちと情報を共有したり、意見を出し合ったりする活動を充実させることにより、子どもたちの思考力・判断力・表現力の育成を図り、深い学びの実現を推進しています。

◇遠隔合同授業の実施
子どもたちの学びの可能性を広げるため、近隣の学校とオンラインで接続する遠隔合同授業を実施しています。特に小規模校では、自校だけでは得にくい「多様な考えに触れる機会」を設けることが狙いです。離れた相手に分かりやすく伝えようとすることで表現力を高め、自分の考えを深める機会が得られます。
例えば、理科の授業では、事前に端末を使ってそれぞれの学校で個人の予想を集計し、その後両校で共有することで実験への関心を高めています。また、両校を接続し、カメラで手元を見せながら実験を協働で進めるなどの工夫もしています。

■学習用端末の活用は授業以外でも
◇端末の持ち帰り学習
家庭学習や休校時の学習継続のために、定期的に持ち帰ります。小学5年生以上は週1回以上、小学2〜4年生は月に2回程度、夏休みなどは全員が持ち帰ります。端末はインターネットや動画の利用制限を設定しているので、安全な学習ツールとして自宅でも安心して利用することができます。

◇「今日はどんな気持ちですか」
子どもたちが端末を開くと、その日一番最初に出てくる画面が「こころの記録」。これは毎日同じ質問(今日の気持ちを5段階で選択、朝食の有無、自由記述など)に回答し、日々の気持ちや変化の把握が目的です。これにより、教職員は小さなSOSに気づき、見守りを強化し、気になる子どもには声かけなどの対応につなげています。

◇タイピング大会の開催
端末を効果的に使いこなすには、タイピングのスキルが必要です。子どもたちが楽しみながらタイピング力の向上を目指せるよう、小学校から中学校まで3部制で大会を実施。タイピングの速さや正確さを競い、上位者は表彰されます。この活動は、情報活用能力の向上と、授業での端末活用推進につながっています。

◇不登校児童生徒への支援
学校に行きにくい子どもに対しても、端末を活用して教育機会を確保する支援を強化。家庭や校内支援ルーム、「ゆう☆ゆうスペース」(市の学びの多様化教室)などと学校をオンラインでつなぎ、学習できる環境を整備しています。これにより、不登校の子どもたち一人ひとりの支援ニーズに応じた学習環境を実現しています。

■河内長野市が目指すDXの未来
◇ICT担当の門脇(かどわき)指導主事からのメッセージ

市が目指す教育DXは、単なるデジタル機器の導入ではありません。1人1台端末を活用し、児童生徒一人ひとりに応じた「個別最適な学び」と、多様な意見を繋ぎ合わせる「協働的な学び」を一体的に実現することです。
学校現場では、1人1台端末を活用してクラス全員の意見を瞬時に共有し、対話的な学びが深まるなど、確かな手応えを感じています。例えば、体育の授業では、児童生徒が自らの動きを動画で撮影し、お手本と比較して改善点を見つけたり、成長を客観的に記録したりすることで、運動への意欲向上にも繋がっています。
今後は、「校務のDX」もさらに推進していきます。先生がこれまで以上に子ども一人ひとりと心を通わせ、丁寧に向き合う時間を創出します。ICTを文房具のように使いこなし、自らの可能性をどこまでも広げていく子どもたちの姿。そんなワクワクする「未来の学び」を創り上げたいと考えています。

問合せ:学校教育課