くらし ミサキの先へ vol.14

岬町地域おこし協力隊mossan(もっさん)が岬町で輝く人物や場所に出向いてインタビューさせてもらうページです。

■大阪府保護司連合会 保護司
河野 知男(こうのともお)さん
保護司活動を続けて約30年
多くの方の社会復帰を影で支え続ける人生

─河野さん普段は何をしておられるのでしょうか?
「岬町の深日地区で撚糸(ねんし)工場を経営しております」
─では工場経営をされながらこの岬地区の保護司としての活動もされているのですね?
「そうです」
─保護司ってどんな存在なのですか?
「法務大臣から委嘱された民間のボランティアで、非常勤の国家公務員になります」
─どのような活動をされているのですか?
「保護観察者に対しての指導、住居や就労のサポートなどを行います。他にも定期的な面会や連絡を取ったりもします」
─河野さんはなぜ保護司になろうと思ったのですか?
「小学生の頃の校長先生や先輩などから勧められて断りきれずに平成8年から保護司としての活動をスタートしました」
─そこから約30年ですか!?すごいですね!
「いえいえ、やめる勇気がなかっただけですよ(笑)」
─そんなことないでしょう。河野さんとお話してると、とても気の優しい方だというのが伝わってきます
「人は誰でもうっかりミスや失敗をしますから、あまり怒ったりというのはないですね。ましてや衣食住が不安定な環境では悪い考えが頭をよぎることだってあるでしょう。ですから保護司としては再びそのような環境にさせないように保護観察対象者の衣食住を安定させるサポートを心がけています」
─初めて保護司として活動した時のことなどは覚えていらっしゃいますか?
「もちろんです。保護観察対象者は30代女性の方で覚せい剤で服役していた方でしたね。ご結婚をされていて旦那さんもいらっしゃったのですが旦那さんもどちらかというと裏稼業で生活されていた方でしたので、ご夫婦揃って相談に乗り社会復帰へのサポートを行いました」
─鮮明に覚えているのですね。保護司活動で大変なことなどありましたか?
「今でこそ携帯電話やスマホが普及しておりますが、昔は連絡を取るにも一苦労でした。ですので連絡がつかなくなると手紙を何度も書いて返事を待ったり、周りの人からの情報を頼りに行方を探しまわることもありました」
─それは大変ですね。やりがいを感じる瞬間は?
「保護観察担当していた方から、結婚して家庭を築いたという報告や、立派に社会復帰しているという情報をいただいた時にはとても嬉しく思います」
─そんな河野さんの長年の更生保護活動が形になって認められたとお聞きしたのですが
「昨年末に藍綬褒章(らんじゅほうしょう)をいただきました」
─らんじゅほうしょう?名前を聞いただけでとても名誉そうなものというのが伝わります
「公共の事務に貢献した際に与えられる褒章で、その受章式に出席するために人生で初の皇居にも行かせていただきました」
─皇居に!とても名誉のある褒章の証ですね
「ありがたいことです」
─河野さん本日はインタビューありがとうございました
「こちらこそありがとうございました。どうか記事はお手柔らかに」
─変なこと書きませんから大丈夫です!笑

●インタビューを終えて…
保護司という存在は知っていたのですが、何となくのイメージしか持っていませんでした。こうやって実際に活動されている方とお会いさせていただき、体験談やお話をたくさん聞かせてもらえて、とても貴重なインタビューとなりました。同時に、こういった活動をしてくださっている方がいるからこそ社会が成り立っているのだなと感心しました。
体の凝りや疲れを癒す保護司という存在にさらに興味が沸きました。
って、それ保護司じゃなくて、ほぐしやないかい!!
すいません、僕にお笑い保護司をつけてください。

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