子育て 新温泉町「全国学力・学習状況調査」の結果(1)

令和7年度の全国学力・学習状況調査の結果が、7月31日に公表されました。この調査は、各地域における児童生徒の学力・学習状況を把握・分析することにより教育及び教育施策の成果と課題を分析し、その改善を図ることを目的として実施されたものです。新温泉町における本調査の分析結果をお知らせします。現在この分析結果をもとに「授業で学校を創る」という意識を全学校が学校文化として持つよう、校長のリーダーシップのもと授業改善を進めているところです。話し合い活動の重要性等を示した「新温泉授業スタンダード5」の徹底実践を進めていきます。
(※全国平均と比べて+5.1以上…上回っている、±5…同程度、-5.1以下…下回っている)

■学力調査の結果
(1)小学校(国語)
全体としては、全国平均正答率と同程度です。
時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いに気付くことは概ねできています。また、時間的な順序や事柄の順序などを考えながら、内容の大体を捉えることも概ねできています。
一方、目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりするなど、自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫することに課題が見られます。また、目的に応じて、文章と図表などを結び付けるなどして必要な情報を見つけることに課題が見られます。

(2)小学校(算数)
全体としては、全国平均正答率と同程度です。
はかりの目盛りを読むことはよくできています。また、角の大きさについて理解することは概ねできています。
一方、数直線上で、1の目盛りに着目し、分数を単位分数の幾つ分として捉えることに課題が見られます。また、伴って変わる二つの数量の関係に着目し、問題を解決するために必要な数量を見いだし、知りたい数量の大きさの求め方を式や言葉を用いて記述することにも課題が見られます。

(3)小学校(理科)
全体としては、全国平均正答率と同程度です。
赤玉土の粒の大きさによる水のしみ込み方の違いについて、赤玉土の量と水の量を正しく設定した実験の方法を発想し、表現することは概ねできています。また、ヘチマの花のつくりや受粉についての知識が身に付いています。
一方、赤玉土の粒の大きさによる水のしみ込み方の違いについて、結果を基に結論を導いた理由を表現することに課題が見られます。また、発芽するために必要な条件について、実験の条件を制御した解決の方法を発想し、表現することにも課題が見られます。

(4)中学校(国語)
全体としては、全国平均正答率と同程度です。
自分の考えが明確になるように、論理の展開に注意して、話の構成を工夫することはよくできています。また、相手の反応を踏まえながら、自分の考えが分かりやすく伝わるように表現を工夫することも概ねできています。
一方、表現の効果について、根拠を明確にして考えることに課題が見られます。また、文章の構成や展開について、根拠を明確にして考えることにも課題が見られます。

(5)中学校(数学)
全体としては、全国平均正答率を下回っています。
一次関数「y=ax+b」について、変化の割合を基に、xの増加量に対するyの増加量を求めることはよくできています。また、多角形の外角の意味を理解することも概ねできています。
一方、相対度数の意味を理解することに課題が見られます。また、事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説明することにも課題が見られます。

(6)中学校(理科)
全体としては、ほぼ標準値です。
実験の様子と、密度に関する知識および技能を関連付けて、それぞれの気体の密度の大小関係を分析して解釈することはよくできています。また、これまでに学習した理科の知識及び技能を基に、化学変化の分解の知識が概念としてよく身に付いています。
一方、身の回りの事象から生じた疑問や見いだした問題を解決するための課題を設定することには課題が見られます。また、気圧の知識を概念として身に付けることにも課題が見られます。
※中学校理科はオンライン方式で実施

▽授業改善の方向性
各教科に共通する課題は「自分の考えを、自分の言葉で説明する」ことです。その課題を解消するためには、授業の中で、すべての児童生徒が自分の考えを表現する場を設定する必要があります。
「新温泉授業スタンダード5」の「子どもたちが主体的に考え、判断し、発表(発言)する場を設ける。」という実践項目に重点的に取り組み、「どこから(根拠)」「どうして(理由)」「だから(主張)」の3つで、自分の考えを説明するよう授業改善を進めます。
タブレットの活用頻度は、小中学校共に前回調査から大きく増えています。しかし、全国値と比べるとまだ下回っています。ICT機器を活用することができると考えている児童生徒ほど、各教科の正答率・スコアが高い傾向が見られます。授業の中でタブレットを文房具として使いこなせるよう、使用頻度を高めスキルの定着を図ります。