- 発行日 :
- 自治体名 : 鳥取県南部町
- 広報紙名 : 広報なんぶ 2025年5月号
3月11日(火)、法勝寺中学校と南部中学校の卒業式が開催されました。式では両校合わせて93名の卒業生一人ひとりに校長から卒業証書が手渡されました。卒業生への激励の意を込めた校長からの式辞や在校生からの送辞、別れを惜しむ気持ちと将来への決意が込められた卒業生からの答辞、そして合唱が行われました。卒業生たちは3年間のたくさんの思い出が詰まった校舎を旅立っていきました。
南部町町制20周年記念事業の一環として、東京2020オリンピック柔道金メダリストの阿部詩選手(パーク24所属)が両校をサプライズ訪問しました。
昨年11月、文化祭にサプライズ登場した兄の阿部一二三選手に続く阿部詩選手の登場に生徒たちは驚きと喜びの表情を浮かべました。
このサプライズには、それぞれの道へ進む卒業生へ新たなステージでも南部町を想う気持ちを持ち続けてほしいという地域の願いが込められています。
■法勝寺中学校
法勝寺中学校では式典終了間近、舩越路央校長の呼びかけで阿部選手が登場すると、会場が大きくざわめきました。阿部選手はパリ2024オリンピックの経験について、「負けた後は今まで味わったことのない絶望感があった。私の居場所は畳の上だと思ったとき、もう一度立ち上がろうと決めた」と振り返りました。そして卒業生に向けて、「千里の道も一歩からという言葉を心に刻んでいる。一歩一歩を大切に歩めば、自分の目標が叶わなかったとしても必ず輝かしい未来が待っている。どんな一歩も勇気を持って踏み出してほしい」と語りかけました。
■南部中学校
南部中学校では、卒業式終了後の学活の時間に阿部選手が登場し、教室は大いに沸きました。阿部選手は南部中学校でもパリ2024オリンピックの経験について語り、「本当にたくさんの方々に支えられ、畳の上に立って戦うことができている感謝の気持ちが大きい」と前向きに柔道に向き合う姿を伝えました。新しいステージへと進む卒業生に「今は高校生になることへの不安やわくわくした気持ちを抱いてると思う。夢や目標を諦めずに追い続けていると、必ず輝いた未来が待っている。何事も諦めず、楽しんで、支えてくれる方々に感謝をしながら歩んでほしい」とエールを送り、中学校を後にしました。
世界で戦う阿部選手の言葉を胸に刻んだ生徒たち。卒業後の抱負について「阿部選手の言葉を聞いて前向きな気持ちになりました。自分の夢に向かって勉強も部活も頑張ります」「スポーツ推薦で高校に行くので一生懸命頑張りたいと思います」などと語ってくれました。慣れ親しんだ校舎での最後の時間が、特別な思い出となりました。