くらし いつまでも住み慣れた地域であんしんして暮らし続けるために~みんなで育み、守る出雲の医療~

誰もが安心して健康な生活を送るためには、必要な医療を受けることができる環境が大事です。
出雲市では医療機関ごとの役割を生かした連携を進めており、お一人おひとりの理解や行動も不可欠です。今回は、その具体的なポイントについてご紹介します。

《救急対応件数は増加しています》
出雲市消防本部の救急対応件数のうち、特に65歳以上の方の利用が多くなっています。
救急患者さんの受入先病院の調整に時間がかかる状況も発生しています。
重症患者さんへの対応が遅れると、救える命が救えなくなる危険も高まります。

〔Point 1〕かかりつけ医をもち、適正受診を心がけましょう!!
適正受診とは?⇒「必要な時に適切な医療機関に、適切なタイミングでかかる」ことです。
体調に不安を感じたら…まずは診療時間内にかかりつけ医に相談しましょう。
「かかりつけ医」に診てもらうメリット:
・日頃から健康状態を知っているため、体調の変化に気づきやすい
・専門的な治療や検査が必要な場合の紹介や受診がスムーズ
・不要な検査や薬を調整し、身体への負担や医療費を抑えられる

〔Point 2〕地域の医療機関にはそれぞれの役割があることを知りましょう!!
病気やケガの症状に応じて医療機関を選ぶことで、より適切な治療を受けることができます。

■各病院・診療所の役割
◇急性期病院
早期の病状安定化をめざし、手術など高度で専門的な治療を行います。

◇回復期病院
急性期の治療を終えて状態が安定した方の身体機能の回復をめざし、リハビリテーションなどを行います。

◇慢性期病院
症状が安定した方に、長期的な医療や療養を提供します。

◇診療所
身近な医療を提供し、健康管理を支えます。
(比較的軽度な病気やけが、継続治療中の病気の管理、予防接種、健康診断など)

■医療の現場からのメッセージ
◇~高度急性期・急性期病院から~
島根県立中央病院救命救急科医長 金井克樹 医師
当院は地域の皆さまの命と健康を守るため、昼夜を問わず救急医療に取り組んでいます。軽症から重症まで幅広く受け入れる体制を備えていますが、とりわけ高度救命救急センターとして「地域の最後の砦」となり、重症患者さんを救命し、社会復帰へとつなげることを使命としています。
急性期治療を終えた後は、二次医療機関やかかりつけ医、施設へとバトンをつなぎ、地域全体で医療を支えています。

◇~慢性期病院から~
医療法人社団耕雲堂小林病院 小林祥也 医師
急な病気やケガは急性期病院が対応し、その後のリハビリを含む継続治療を担うのが回復期(包括期)です。さらに長期的な療養が必要な患者さんや難病患者さんを長期的にサポートするのが慢性期病院で、適切なケアを長期的に提供することが可能です。
高度な検査、治療はできませんが、患者に寄り添った“治し支える”医療を提供し、状態が安定すれば在宅や介護施設への退院も調整しています。

■病院には安心して療養できる相談窓口があります~地域連携室の紹介~
病院や施設、かかりつけ医などの支援機関同士の連携を進める役割として、病院には「地域連携室」があります。相談員や看護師が、その人らしい療養生活ができるよう、入退院の支援や連携を行います。
一人で悩まずお気軽にご相談ください。

〔出雲圏域病病連携会議(2005.5月発足)〕
出雲市内9病院の医師や相談員等で構成し、月1回の定例会を通じて顔の見える関係づくりをしています。

■患者さん・ご家族の声から
◇安心感
・最期、ここで看取ることができて良かった。
・今まで食べられなかったが、食べられるようになり嬉しい。

◇スムーズな診療
・転院先の体制、退院後の相談窓口などを事前に聞け、少し不安が解消された。

◇負担軽減
・看取りを近くの病院でしてもらえたことに感謝している。

■みんなで出雲の医療を育み、守るためには…
地域医療は、医療関係者だけでなく市民の皆さまとの協力や信頼関係で育まれます。
それぞれの機能をもつ病院が役割を果たし、安心して医療を受けることができるようご協力お願いします。

問合せ:
出雲保健所医事・難病支援課【電話】21-1191
医療介護連携課【電話】21-6906