- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県江津市
- 広報紙名 : かわらばん 2025年12月号VOL.888
■ヒートショックとは
ヒートショックとは、急激な温度の変化によって血圧が大きく上下し、身体に負担がかかることです。失神や心筋梗塞、脳梗塞などが起こり、心臓や血管に悪影響を及ぼします。
特に注意が必要なのが、冬場の寒い脱衣所・浴室から熱い浴槽に入る時です。(図1)急激な温度変化が発生することで血圧が急上昇・急降下し、脳や心臓に大きなダメージが加わって起こることが多いです。どうして血圧が急激に変化するのかというと、人の身体は暖かいところでは血管が広がり、血圧が低下します。反対に、寒いところにいると、血管が縮んで血圧が上昇します。この温度差によって血圧が変動し、心臓に負担がかかり心筋梗塞や脳卒中を起こしかねません。この現象をヒートショックと言います。

■ヒートショックの実態
令和5年の人口動態調査によると、「不慮の溺死及び溺水」の件数は8993人に上っており、大半は浴槽内で発生しています。そのうち、65~79歳は3110人、80歳以上になると5160人と高齢者が大半を占めていることが分かります(図2)。
また、令和5年の人口動態調査をもとに消費者庁が作成したデータでは、65歳以上の「不慮の溺死及び溺水」の月別死亡者数は、特に12月、1月の冬場に多く発生しており、冬の寒い時期のお風呂では特に注意が必要です(図3)。

■ヒートショックになりやすい人の特徴
(1)高齢者
高齢になると、血管の老化により血圧変動が起こりやすく、温度差への適応力も低下するためです。
(2)高血圧症
(3)血糖値が高い人
(5)肥満気味の人
(4)コレステロールが高い人
(2)~(5)の人たちは、動脈硬化で血管が弱っている可能性があります。血管が硬くなることで弾力性が失われ、血圧の変動が起こりやすいため、ヒートショックになる可能性が高くなります。
(1)~(5)の人以外でも、寒い時期の入浴には十分気を付けるようにしましょう。
万が一、ヒートショックが起きていると思われる人を見つけたときは、まず呼びかけましょう。呼びかけに応じない、呼吸が弱い、意識があっても頭痛や胸の痛み、体の力が入らないといった症状があれば、救急車を呼びましょう。
可能であれば、浴槽から救出し、もし救出ができない場合は浴槽の栓を抜いてお湯を空にしておきましょう。
■ヒートショックへの対策
部屋の温度差をなくすことが大切です。出来ることから実践してみましょう。これから寒い季節が続きますが、お風呂やトイレに行くときには、急激な温度変化による大きな血圧変動に気を付け、ヒートショックから身を守りましょう。
▽入浴前に脱衣所や浴室を温めておく
浴槽のフタを開けるなど湯気で浴室を暖めると効果的です
▽浴槽に浸かる前にかけ湯をして身体を慣らせる
▽湯温は41度以下にする
▽お風呂につかる時間は10分以内にする
▽家族は本人の入浴中の動向に注意をする
▽温度変化を最小限にする
例えば、寒い場所へ移動するとき上着を一枚羽織るなどしましょう
▽入浴前後には十分な水分補給を心掛ける
▽入浴前に同居する家族に声をかける
問合せ:健康医療対策課健康増進係
【電話】0855-52-7935
