くらし ルーツいいなん-46-

このまちに住んでいようと、なかろうと、ルーツをたどれば飯南町。生まれや育ちは違っても、飯南町に縁やゆかりがある。そんな人たちを紹介します。今回登場した人が次の人を指名。つながり続くよどこまでも。

◆飯南を離れて見えてきたこと
夏は川に飛び込み、野原を自由に駆けまわる。そんなのびのびとした幼少期を過ごした奥野泰輔さん(27歳)。現在は1児の父となり、家庭と仕事の両立に励んでいます。
「都会は公園に行ってもボール遊びが禁止され、走りまわることも制限がある。飯南は子育てするのに良い環境だと、親になって初めて感じました」と故郷での暮らしを思い返します。
現在、奥野さんは土木工事会社に勤務し、地盤崩壊を防ぐための基礎施工に携わっています。小さなミスが重大事故につながる現場でもあり、仕事中は気が抜けないと言います。
大阪・関西万博会場をはじめ、北陸新幹線の橋梁、大型商業施設など、施工を手掛けた建造物は多数。「自分の関わった仕事が形として残り、大勢の人が利用する姿を目にするとうれしい。完成した施設に家族と出かけることもあります」と奥野さん。
都市開発に携わり、新たなまちの魅力を作り出す仕事をしているからこそ、「飯南町は今の環境を、いつまでも守り続けてほしい」と奥野さんは話します。
「何にもないまちだと思う人もいるけれど、それが落ち着くし、だからこそ見えてくる良さがたくさんある。星空がきれいで、水も空気もおいしい。おじいちゃんとおばあちゃんが作るお米やお野菜は、すごくおいしいと奥さんの親戚からも評判なんです」とうれしそうに話してくれました。

◇奥野 泰輔(おくの たいすけ)
飯南町小田出身。飯南高卒業後、自衛隊に入隊。その後土木工事会社へ転職し、関西地方を中心に各地の建設工事に携わる。野球部だったこともあり、現在も趣味は野球観戦。(兵庫県在住)
「家族が何よりも大切」という奥野さん。子どもの成長は一瞬でも見逃したくないと言います。休日は子どもと公園で遊ぶのが定番。現役自衛隊員の奥様と力を合わせ、子育てに奮闘中です。