健康 [診療一口メモ]健康ちょっといい話

◆病は歯から?~本当は怖い歯の病気~
岡山市内歯科医師会連合会

野生の動物は歯が無くなると栄養を摂る事が出来なくなるために死んでしまいます。人間は生きるために食べますが、歯が無くなって食べられなくなっても、栄養剤の点滴等により生きながらえることができます。口腔には、食べる(咀嚼)以外にも飲み込む(嚥下)、息をする(呼吸)、食事を味わう(食べ物の味の識別)、会話をする(コミュニケーション)など多くの役割があります。そして現在、歯や歯肉の病気と全身疾患との関連が注目されています。
虫歯が原因で起こす病気には、外歯瘻(歯の根の先に膿がたまり、あごの骨を通り皮膚に穴をあける)、扁平苔癬(原因不明ですが、金属アレルギーなどにより口腔粘膜に生じる炎症)、蜂窩織炎(虫歯の放置によりあごの骨を溶かして周囲組織に炎症が波及)、舌がん(治療してない歯の尖っている部分が舌を慢性的に刺激して発生)等があります。
歯周病と関連する病気には、糖尿病、心臓疾患、菌血症・敗血症、誤嚥性肺炎、胃炎・胃潰瘍、低体重児出産、骨粗しょう症、がん(歯周病と腎臓・膵臓・血液のがんのリスク増大)等があります。
また、歯の定期検診を行っていると、全身に関わる年間総医療費が一般平均よりも少なくなることがわかっています。具体的には49歳を過ぎると平均を下回り、65歳になるとその差は約15万円と広がり、その後もさらに広がっていきます。
このように全身の健康にも関わりますので、ぜひ定期的に歯科検診を受けましょう。