文化 水道1OO周年
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- 発行日 :
- 自治体名 : 広島県尾道市
- 広報紙名 : 広報おのみち 2025年5月号
尾道市の水道は、大正14年に久山田貯水池を水源として長江浄水場から給水を開始して以来、本年で100周年を迎えました。
水道は豊かな市民生活、経済活動に欠かすことのできない重要な社会基盤です。
ここに、本市水道事業が100周年を迎えるにあたり、ご協力とご支援を賜りました市民の皆様や多くの関係者の皆様に深く感謝申し上げますとともに、今後とも本市水道事業の発展のため、より一層のご理解を賜りますようお願い申し上げます。
尾道市長 平谷祐宏
▽特設サイト
尾道市の水道創設100周年を記念して、特設サイトを開設しました。
記念事業や、水道記念館などの情報を掲載しています。
【HP】https://water-onomichianniv100th.jp/
問合せ:上下水道局経営総務課
【電話】0848-37-8700
▽記念ロゴマーク
漢字の「百」をモチーフにしたロゴです。水の有機的な形を取り入れ、「百」のまわりを多数の小さな丸で囲み、雫のような形に仕上げられています。
作成:松﨑菜月さん(尾道市立大学美術学科)
■上水道布設開始
尾道市の水道事業は令和7年4月に創設100周年という節目の年を迎えました。
大正2年に上水道創設が立案された後、数年の調査を経て、大正10年に久山田を貯水池とし、長江三丁目に浄水場を設置する総工費139万3560円の計画が市議会にて議決されました。
大正11年には内務省から布設、施行の認可を受け、大正12年工事に着手、大正14年4月9日に竣工し、同月18日より、給水人口3万7千人、1日最大配水量4,500立方メートルの規模で給水を開始しました。
■久山田堰堤
当時の最先端の技術によって建造された久山田堰堤は、美しい石張りで美観的にも優れ、貴重な国民的財産として、国の「登録有形文化財」に指定されています。また、耐久性にも優れ、100年経過した現在でも、尾道市の貴重な自己水源を支えています。
■多額の寄付で尾道市水道創設を実現山口玄洞(尾道市名誉市民)
大正10年、市議会で市民待望の上水道創設を議決しましたが、当時の財政事情は極めて厳しく、建設費用の大部分を市債に頼るほかなく、その準備を進めていました。
ところが、この事情を察した山口玄洞は、建設費用の74%にも上る多額の寄付を申し出たのです。
この寄付金は、総費用から国、県の補助金と雑収入を引いた残りの全額に相当するもので、他に例を見ない巨額なものでした。
尾道出身で、大阪で商売に成功し財を成した玄洞は、かねてから水に困窮する市民や、水不足が市勢の発展の妨げとなっていることを憂いており、その強い郷土愛から寄付を決断しました。
玄洞の偉業を語らずして本市の水道は語れず、まさに「尾道の水道の恩人」です。
■5/25(日)14:00から一般公開を開始します! 尾道市水道記念館[水道の歴史や名誉市民の功績、水について学べる施設]
場所:長江三丁目6-52
開館時間:9:00~16:00
※12/29~1/3は休館。
※5/25(日)は14:00~。
・パノラマシアター 山口玄洞物語
・ジオラマ100年水道マップ…ジオラマにプロジェクションマッピングで水の流れを投影して、水の循環や水道水を作るしくみを紹介します。
・実物の給水車を展示
・止水体験テーブル…水道管の止水作業が疑似体験できます。条件が設定された課題にも挑戦してみてください。
・チャレンジ水道クイズ…タッチパネルを使った水に関する3択クイズに挑戦できます。
■日本初・鋳鉄製水道管の作成に成功 久保田権四郎(尾道市名誉市民)
因島に生まれ、水道の発展に深く関わった久保田権四郎は、久保田鉄工所(現株式会社クボタ)を創業しました。
明治時代の日本は水道がまだ整っておらず、川や井戸の水をそのまま飲んでいたため、コレラが流行し、たくさんの人が亡くなっていました。
権四郎は人々が安心してきれいな水が飲めるよう、何度も挑戦し、日本で初めて鋳鉄製の水道管を作ることに成功しました。
現在、私たちが安心して蛇口から水道水を飲むことができるのは、権四郎が研究を重ね、国産の水道管を作ることに全力を尽くしてくれたおかげなのです。