- 発行日 :
- 自治体名 : 山口県田布施町
- 広報紙名 : 広報たぶせ 10月10日号(令和7年)No.1069
『高齢者の人権』
田布施町社会福祉協議会
事務局長 亀田 典志
高齢者とは、一般的に65歳以上の方を指します。私も、その高齢者の仲間入りをする年齢となりました。田布施町の高齢化率は、全国や山口県に比べて高い水準にあり、令和6年4月時点で38.4%、2040年には、44%に達すると見込まれています。今後、ひとり暮らしの高齢者や高齢夫婦世帯、認知症高齢者の増加が予想されています。
全国的にも、高齢者に対する就職差別、家庭や施設での身体的・心理的虐待、無断で財産を処分される経済的虐待、さらには深刻な詐欺被害など、高齢者の人権が侵害される事例が後を絶たず、社会問題となっています。
田布施町でも例外ではなく、高齢の親への虐待や、認知症などにより判断能力が低下した方が詐欺被害にあう疑い事案などが発生しています。
現在、少子高齢化で現役世代が減少する中、介護する家族の負担増加や介護離職への対応、認知症高齢者とその家族への支援、在宅医療と介護の連携強化など様々な問題への対応が求められています。
一方で、元気な高齢者も多くいらっしゃいます。元気さを持続するためには、日頃からの自己管理が非常に重要になります。また、地域で生活する高齢者一人ひとりが、自ら社会的な役割や生きがいを持ち、お互いに助け合いながら健康に暮らしていくことのできる地域づくりが大切になります。
田布施町では、住民主体の集いの場など、地域での介護予防事業の展開を進めています。また、麻里府地域、城南地域、麻郷地域に協議体を設置し、各公民館単位で生活支援ニーズを把握し、その支援策やサービス提供を行う担い手の発掘を進めています。これらの地域では、支え合いについて話し合い、生きがい教室などへの送迎や有償草刈り、健康麻雀・将棋、茶話会などを実施しています。
今後も協議体を全町に拡げると共に、地域住民同士がお互いに支え合う地域共生社会を目指し、また、人権侵害の疑いのある事案が発生した際には、関係機関と連携して被害の救済および人権尊重の意識啓発に努めていきます。