文化 さぬき市歴史民俗資料館 展示品紹介

今回は、さぬき市歴史民俗資料館で展示している巴形銅器を紹介します。明治44年にさぬき市石田東の森広天神社東側(森広天神遺跡)から8点の巴形銅器が発見されました。現物は現在東京国立博物館にあり、さぬき市歴史民俗資料館では複製品を展示しています。
巴形銅器はスイジガイという巻貝の形を模した呪具という説が有力です。内側にあながあり、戦いの時に盾や矢を入れる容器に取り付けたとされています。森広天神遺跡の巴形銅器は弥生時代後期に製作されたもので、同時代のものは全国で20数点しか出土しておらず、森広天神遺跡ではその内の8点という貴重なものです。
平成10年に福岡県春日市の九州大学筑紫地区遺跡群が発掘調査され、石製の鋳型が発見されました。その後、森広天神遺跡の8点中3点がこの石製鋳型と型が一致し、森広天神遺跡の巴形銅器を製作した鋳型であることが判明しました。この新発見により森広天神遺跡の巴形銅器は弥生時代の九州地域との交流を探る重要な資料となりました。

問合せ:さぬき市歴史民俗資料館
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