くらし 注目ビト

今一度、備えを見直して
地震・津波対策を万全に!

■注目ビト
愛媛大学防災情報研究センター
副センター長
二神 透(ふたがみ とおる)さん
防災情報工学を専門とする二神副センター長(本紙中央)。愛媛大学防災情報研究センターは、自然災害に対する研究から防災計画、リスクマネジメントへの協力支援などを行う機関。学生に向けて環境防災学(単位と防災士の資格取得が可能)を開講し、「自分たちの地域は自分たちで守る」重要性を発信しています。愛媛大学社会共創学部環境デザイン学科3回生の上島瑛惟人さん(本紙左)、上田拓真さん(本紙右)も防災士の資格を取得し、二神副センター長の下で避難行動シミュレーターを研究しています。

◇防災・減災は早めの避難行動と地域のコミュニティがカギ
9月に「愛媛県地震被害想定調査(中間報告)」が発表されました。今回のポイントは、詳細な地盤データを使って想定していますので、南海トラフ巨大地震の震度分布についてかなり精度が高くなっているという点です。県民の皆さんに特に注意して確認していただきたいのが、震度7が想定される市町が県全体では、前回より減ったものの、震度6強であったのに今回は震度7で想定されている市町があるということです。また津波についても浸水面積が大きくなっており、宇和海沿岸はもちろん、瀬戸内海沿岸も注意が必要です。特に西条市は地震の揺れで地盤沈下が起こって堤防が壊れる可能性があり、多くの地域が浸水するのではないかと見ています。
今回の中間報告を受け、県民の皆さんが取るべき行動は住宅の耐震化、家具の固定、そして避難経路と非常持ち出し袋の確認。1週間分の水と食料はぜひローリングストックで備えてください。私ども「愛媛大学防災情報研究センター」ではたくさんの防災士を養成しています。特に若い防災士たちは地域に足を運び、住民の皆さんとともに活動していただきたいですね。交流を深めることで地域コミュニティを醸成し、「自助・共助」の精神を根付かせ、防災士が支える体制を整えたいと考えています。