くらし Mayor’s Voice 溢れる想い、伝えよう

“「好き」はなかなか伝わらないけれど、「嫌い」は一瞬で伝わるんだよ”

これは私の父の言葉です。
日々の行事やまちかど報告会などで、「市がこんなことしているのを知らなかった」「もっと情報発信してほしい!」といったお声をたくさんいただいてきました。
例えば、ゴミ減量プロジェクトで増額した生ゴミ処理機購入補助金。これまでに広報紙や公式SNSなどを通じて何度も取り上げてきました。しかし、多くの方々に積極的に活用いただいている一方で、見たことも聞いたこともないという方々もたくさんいらっしゃいます。
また、「知っている」けれども、その内容が「誤情報」の場合もあります。
最近、よく聞かれるのが、令和8年3月オープン予定の室内型子どもの遊び場。0〜12歳児が対象の本施設は、障がいの有無に左右されないインクルーシブな観点も導入した遊び場で、全天候型であり、防災機能も備えた多世代交流拠点です。本施設については、「総工費が50億円もかかる」という噂や「ランニングコスト(年間費用)が高すぎる」といったご批判を一部からいただいています。
しかし、実際はというと…設計費が約4,400万円、工事費が約4億2,000万円で、その内、2億760万円は国からの補助金です。整備費は図書館リブリオの約6分の1。また、ランニングコストは約5,500万円。これは、ウィズゆくはしの約4,600万円、コスメイト行橋の約5,900万円、図書館リブリオの約1億8,700万円と比較しても、飛び抜けて高額ではないことが分かると思います。
さて、冒頭の「好きはなかなか伝わらないけれど…」は、ポジティブ(前向き)な情報よりもネガティブ(後ろ向き)な情報の方が伝播しやすいということや、伝え方(手法)の重要性を再認識させてくれる示唆に富んだ言葉だと言えますが、より本質的なメッセージとしては、「好き」を伝えるには、相手へのほとばしる想いや湧き出る敬意がなければいけないということだと理解しています。
市役所は「伝わる広報」をめざしていますが、その目的を達成し続けるためには、言葉のチョイスや表現方法はもちろんですが、行橋というまち、そして、市民の皆さんに対しての溢れんばかりの想いがあってこそだと思っています。
私たちはさらに、市民の皆様のウェルビーイング(幸せ)の向上と持続的な本市の成長・発展に向け溢れる想いとともに『協創』してまいります。

本年も残すところ後わずか。
健康には十分ご留意いただき、良いお年をお迎えください。

行橋市長 工藤政宏