- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県行橋市
- 広報紙名 : 広報ゆくはし 令和8年3月号
■CASE2 安達裕子(ひろこ)さん
40歳・上毛町出身 夫、息子(10歳)、娘(7歳)
「年齢に関係なく、みんなで笑い合える、地域密着型のイベントを増やしていきたいと考えています!」
◆スマホの向こうに広がる、新しい私の居場所
元・栄養士。転勤族の妻。育児とパートを両立する中での「もどかしさ」を経験。京築・北九州のおすすめスポットを配信中!
◇「本当は、もっと責任のある仕事がしたい」。
栄養士として働いていた安達さんが、結婚を機に選んだのは扶養内でのパート勤務でした。転勤のある夫を支え、病気がちだった子どもの急な体調不良にも対応できる働き方。それは家族を守るための、納得したはずの「選択」でした。けれど、限られた仕事内容に物足りなさを感じる日々。「子育て中だから仕方ない」という葛藤を抱えながら、数年が過ぎていきました。
◇「私」という名の、名刺に出会う。
転機は2023年、ちょうどコロナ禍が明けた頃。イベント企画のパートで出会った上司が、自身のInstagramのアカウントを名刺代わりに差し出す姿に、彼女は衝撃を受けました。
「SNSでの発信が、自分を証明する顔になる。なんてかっこいいんだろう」。
彼女自身、普段SNSを検索しながら「地域のイベント情報がひと目で分かればいいのに」と感じていたことから、複数の地域のイベント情報を、カレンダー形式にまとめた発信を「あんこ」の名でスタート。映像の美しさや音楽との調和にこだわった、自分が「好き」と思えるものを丁寧に紡ぎ始めました。
◇損得よりも、「つながる」幸福感
この活動は、収益を目的としたものではありません。パートの合間を縫っての発信ですが、そこで得たのはお金以上に価値のある「人との出会い」でした。
「Instagramを始めていなければ、絶対に出会わなかった世代や業種の方々と繋がることができました。自分自身が楽しんで発信することで、その幸福感が見ている人にも伝わると信じています。あったら嬉しい、スムーズ。そんな誰かの小さなお手伝いができる存在になりたいと思っています」。
現在は、SNSの枠を超え、近所の公民館での太極拳教室や味噌づくりなど、身近なコミュニティの豊かさにも目を向けています。
「ママ」でも「パート」でもない、一人の表現者「あんこ」として踏み出した一歩は、地域を、そして彼女自身の毎日を、鮮やかに彩り始めています。
◆check!
「あんこ」こと、安達さんの投稿は、こちらでご覧いただけます。
・anco_keichiku_event
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■CASE3 江藤美保さん
50歳・行橋市「えびす通り商店街」出身 夫、大学生の娘
「完璧じゃなくていい。一歩踏み出せば、懐かしい友人や新しい仲間が必ず助けてくれます。改めて、行橋の人の温かさに感謝しかありません。」
◆「母」を卒業するのではなく、「私」を始める
養護教諭として勤務後、娘の進学を機に退職。実家の「まるみ青果」をリノベーション。雑貨とカフェの店「marumi handmade cafe」をオープン。
◇「いつか、大好きなものに囲まれた場所を作りたい」。
共働きの夫と協力し、必死に時間をやりくりする毎日――。養護教諭として働いていた江藤さんにとって、ハンドメイドのアクセサリー作りは、多忙な育児や仕事の合間の大切な息抜きでした。
そんな彼女は、娘の大学進学という節目に大きな「選択」をしました。
それは、長年勤めた公務員という立場を捨て、福岡市の自宅に家族を残したまま、単身で実家へ戻り、店を開くという挑戦でした。
◇葛藤の末に掴んだ「家族の形」
人通りの少なくなった商店街での出店。そして単身赴任。当初、母親からは猛反対を受けました。「もし自分が男性だったら、家族ごと移住できていたかもしれない」というもどかしさもあったと言います。それでも彼女は、どうしても諦めることができませんでした。そんな中、夫や娘の「やりたいことに頑張ってチャレンジほしい」という言葉に背中を押され、彼女は新たな一歩を踏み出しました。
「単身赴任という形を選んでも、家族に寂しい思いはさせたくない。」と、週に一度は福岡へ帰り、家族との時間を何より大切にしています。そんな彼女の覚悟が、少しずつ周囲の心を動かしていきました。
◇商店街に灯した、新しい光
いざ実家に戻ると、不安で眠れない日もありましたが、20年ぶりに再会した友人や地域の人たちが、次々と手を差し伸べてくれました。「職場と家庭」という往復の中では出会えなかった、温かな人の輪。多くの人に支えられ、夢が実現しました。かつて両親が営んだ青果店は、今、娘の手で人が集まる場所へと生まれ変わりました。当初は反対していた母親も、その姿に喜び、今では誰よりも近くで娘の挑戦を支えてくれています。
現在は、主にインスタライブを通じて全国へ商品を販売していますが、彼女の願いは、自身が子どもの頃のように、もっと多くの人にこの場所に足を運んでもらうことです。
◇チャレンジして、本当に良かった。
「母親」としての役割を果たし、再び「自分」という人生の主役に戻った彼女の笑顔は、世代を超えて多くの女性たちに勇気を与えています。
◆check!
全国からセレクトしたハンドメイド雑貨やアクセサリーが店内にはずらりと並びます。
◇marumi handmade cafe
住所:大橋3-6-1(えびす通り内)
時間:11:00~18:00
営業:火~金曜
駐車場:あり
・marumi_fruits_cafe
お問い合わせはDMから!
・hbc_fuk
カフェの詳しい情報はこちらから
※本紙二次元コードをご参照ください。
