その他 大文字

忙中閑有り。瞬く間に1カ月が経った。ふと5階の窓から眺めると、この街の由来となった大野城跡の緑深き四王寺山が目に眩しい。心が洗われた。
私は幼少期を緑の中で過ごし、緑が好きだ。すでに故郷を離れて半世紀が過ぎた。故郷は千円札の博士と同じ。今は立派になり観光客も多く訪れる記念館があるが、以前は博士の生家と古びた図書館だけ。観光客などいなかった。そこにあったのは、心地よい優しい木漏れ日と緑の風景だけ。想いは廻った。そこからの眺めが疲れた胸を熱くする。鉾杉を露払にして小国富士が堂々と立っている。麓には温泉の数本の真っ白い湯気。電気を生み出す地球の力だ。小さい頃から山を描くと、左側が高く、右側が少し低いふたこぶの稜線。惚れ惚れするバランスのよさ。さすが小国富士だ。昭和生まれならご存じかも、此の頃の遊びは野山を駆け回り「ターザンごっこ」。雪が積もれば、「日本。金・銀・銅。独占」とばかりのテレマーク姿勢。「笠谷」の響きが妙に懐かしい。
1カ月前、職責を担った。恵まれた緑多き街の、悠久の歴史が根付く伝統ある街の教育を「日本一」に。子どもたちの「未来を幸せ」に。緑あふれる街を眺めながら、再び心に誓った。 (K)