- 発行日 :
- 自治体名 : 佐賀県多久市
- 広報紙名 : 市報たく 令和7年6月号
ー川打家(かわちけ)住宅ー [国重要文化財]
西多久町板屋六二〇○番地一
伊万里・多久間の旧街道(伊万里往還/現県道)に面したいわゆる「くど造(づく)り」の古民家であり、指定当時の所有者名から川打家住宅と呼びます。もとは現在地より東の「女山宿(現在の宿地区)」に所在しましたが、文化財の保存環境向上のため、平成10年から12年にかけて現在地に移築復元し、現在は一般に公開しています。
くど造りとは、佐賀県の南部を中心に広く分布した屋根をコの字に曲げた形式の民家で「かまど」に似ることから方言の「くど」が名前の由来です。
川打家住宅は、正面11・199m、側面6・895mを測るコの字形寄棟造で、屋根は茅葺(かやぶ)き、正面背面ともに杉皮葺きの庇(ひさし)が付きます。正面の大戸口から入ると内部は裏口まで通じるニワ(土間)があり、上り框(かまち)からオモテ・チャノマ・ザシキ・ネドコの四部屋があります。農家住宅の典型で江戸中期の建築と推定され、減りゆく「くど造り」民家の貴重な一例として昭和49年に国指定になりました。
(教育振興課)