くらし 【人権教育No.334】ともに生きる

■「災害時の人権を考える」
近年、地震や豪雨、台風などによる大規模災害が多く発生しています。災害は、それまでの暮らしや働く場所、そして、大切な人を一瞬にして奪っていきます。
災害時における人権を考えてみると、高齢者や障害のある人、女性、子どもなどへの配慮不足や差別など、さまざまな問題が起きています。避難所の中で、おとなたちのいざこざを見て、子どもの心に傷を残してしまったり、ストレスから子どもに対する暴力が発生したりしています。また、女性への性暴力やDVが起こりやすくなることも大きな課題となっています。
災害時の生活では、被災者、支援者など立場に関係なく、そのストレスの矛先が周囲の人に向かってしまい、誰もが簡単に被害者にも加害者にもなってしまう可能性があります。だからこそ、どのような問題が発生するのか、防ぐためにどのようなことができるのかを普段から考えておきたいものです。
自分の命は自分で守ることが防災の基本と言われていますが、非常時には、自分のことで精一杯になり、不安に襲われてしまいます。そうした時に、周りにいる人に温かい言葉をかけてもらうだけでも安心します。
家族で、地域で声を掛け合い、協力し合える関係を築いていきましょう。お互いの思いやりの気持ちや、地域での普段からのつき合いなど「人権」の視点にたった行動が大きな力を発揮します。

社会教育指導員 野中(のなか)