- 発行日 :
- 自治体名 : 佐賀県鹿島市
- 広報紙名 : 広報かしま 令和7年9月号
◆毎年9月8日は『国際識字デー』です ~識字はすべての人の基本的人権~
文字が読み書きできる人の割合を『識字率』といいます。世界の総人口のうち、約6人に1人が読み書きできない現実があります。日本では、義務教育の普及により識字率はほぼ100%とされています。
十分な教育を受けられなかった大人たちが文字の読み書きを学ぶ識字学級が1960年代から始まりました。福岡県で家庭訪問に行った教員が、母親のなかに文字の読み書きができない人がいることに気づきました。そのことから地域の母親たちが学習者となり、学校の教員が講師となりました。福岡県での取り組みは、全国へと広がっていきました。同和問題の解決を目的とする同和対策審議会答申が出された1965年頃のことです。
その4年後には同和対策事業特別措置法が制定されました。識字が保障されないことは、差別や貧困等を助長することになり、基本的人権の侵害につながります。そのために地域からの要望を受け、同和対策事業の一環として識字学級が開設されました。
差別と貧困のなかで学校に通えなかったある女性は、60歳を過ぎてから識字学級に通い、文字を覚えます。そして、生まれて初めて書いた手紙の宛先は識字学級の先生でした。