しごと 特集 寄り添い、支える、あらおの介護 11月11日は「介護の日」(2)

■Interview あらおの「介護」を支える人々
介護老人福祉施設 白寿園で働くみなさんに話を伺いました。

◆信頼から生まれる感動や喜びがある
施設長 鴻江 圭子(こうのえけいこ)さん

◇どんな認知症の人でもずっと受け入れていきたい
昭和47年に開園した「介護老人福祉施設 白寿園」は、原則、要介護3以上の入所者を受け入れている介護施設です。隣接する医療機関と連携し、安心・安全なサービスを提供しています。
「当施設の入所者は、医療ニーズの高い人ばかりで、なかでも認知症を患う人が多くいます。さまざまなタイプの認知症の人を断ることなく受け入れられるよう、開園当初から努めてまいりました」。そう話すのは、施設長の鴻江さん。現在でも、施設内外における認知症の研修や、認知症専門医・同施設の理事長による認知症検討会などを通して、職員一人ひとりのスキルアップを図っているのだとか。「終(つい)の棲家(すみか)」ともいわれる介護施設だからこそ、入所者一人ひとりの尊厳を尊重したケアと、穏やかな時間が流れる環境づくりを心掛けているそうです。

◇介護の仕事は奥が深くてやりがいを感じる
「介護職員は、入所者の表情やしぐさから、ちょっとした体調の変化などを察知して、次のケアにつなげていくことが大切です。この積み重ねが入所者との信頼を構築します」と鴻江さん。近年は介護業界の人手不足やコロナ禍の影響もあり、介護職員の負担が大きくなっていますが、介護の仕事にはそれを上回るほどの感動があると言います。
「私たち職員は、家族の代わりに入所者の最期に立ち会うことも多く、その中で認知症の人が死を目前に、驚くような気遣いを見せてくれることもあります。私は結婚を機に介護業界に飛び込み、右も左も分からない状態でしたが、介護職の奥深さに触れることで、この世界にどんどんのめり込みました」と鴻江さん。

◇介護・福祉の取り組みから地域に楽しみと安心を
「今後の目標は、コロナ禍前のように地域に開かれた施設に戻ること。お祭りやイベントを入所者やその家族はもちろん、職員や地域のみなさんにも楽しんでもらえる場にしていきたい」と話します。
同施設は災害時の福祉避難所にも指定されています。施設改装の際には、鴻江さんの希望もあり、自家発電や備蓄の機能を整備。そのような役割を担っていることも、地域のみなさんに知ってもらいたいとのこと。「これからも介護や福祉を通じて、人と地域のつながりをつくりたい」と、今後の施設のあり方を話してくれました。

◆機能訓練指導員 杉谷 沙貴(すぎたにさき)さん
Q:どんな仕事をしていますか
入所者やショートステイ利用者に、体の機能や筋力を維持するための体操やレクリエーションなどの集団指導、関節可動・起立・歩行訓練などの個別指導を行っています。

Q:この仕事の大変なところは
一人ひとりの身体機能や病歴・生活歴・性格・その日の体調などを考慮しながら対応する必要があります。特に認知症の人の場合、意思疎通そのものが難しいこともあります。言葉を発しない利用者の声の調子や表情のわずかな変化から気持ちを読み取るのは、簡単なことではありません。

Q:どんな時にやりがいを感じますか
信頼関係ができてくると、名前を覚えてくれたり、顔を見るだけで笑顔を見せてくれたりする人もいます。利用者と同じ目線で訓練に取り組むことで、一緒に喜び合える瞬間もあり、仕事を続けたいという気持ちにつながっています。

◆介護副主任 德永 美希(とくながみき)さん
Q:どんな仕事をしていますか
24時間体制で身体介護や看取り介護を行っています。看取り介護では、最期までその人らしく、穏やかな時間を過ごせるよう、日常生活のケアや精神的なサポートに努めます。

Q:どんな時にやりがいを感じますか
入所者が笑顔を見せてくれた時や、「ありがとう」と言ってもらえた時です。言葉が出なくても、うなずいたり、まぶたを動かしたり、小さな変化に気づくこともあります。また、直接の面会が難しい中でも、窓越しやオンラインで家族と顔を合わせ、嬉しそうな姿を見ると、こちらも心が温まります。

Q:この仕事を目指す人に伝えたいことは
入所者の笑顔を見るとパワーが出ます!思い通りにならない時もありますが、入所者や家族はしっかりと見てくれています。感謝の気持ちをいただけた時は「この仕事をしていてよかった」と心から思います。一緒に頑張りましょう!

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