くらし 菊池人(144)(株)アドバンス 代表取締役 永田浩徳さん
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- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県菊池市
- 広報紙名 : 広報きくち 令和7年12月号
■牛も人もみんなで育てる
〔Profile〕ながた・ひろのり
昭和39年生まれ。菊池農業高校卒業後に実家の酪農を手伝い始める。元々30頭ほどを小規模な土地で飼育していたが、周りの農家のこだわりを見たり聞いたりしてやりたいことが増え、28歳で後を継ぎ、牛舎を建設して規模を拡大。「自分も妻も負けず嫌い。妻は毎日一生懸命働いてくれた。今は2人で昔を振り返って互いを褒め合ってます」。57歳の時に息子に経営権を譲るも、今も朝と夜は手伝いで牛の面倒を見ている。川下区在住。61歳。
18歳で家業である酪農の道へ。品評会の成績に悔しい思いをし、牛舎環境のせいにしたくないと28歳で牛舎を増築。3年が経っても牛がうまく育たず、悩む日々が続く。飼育数を増やす難しさや業務の多さに廃業を考えたが、先輩や同僚に励まされ、再び歩み始めた。
平成19年に旭志の酪農家20戸が出資して「(株)アドバンス」を設立。各農家で作っていた餌を工場で作ることで、農家の仕事量を減らすことが狙いだ。個人では試せなかった餌作りができることも魅力に感じ、立ち上げから参画した。みんなで意見を出し合い、試行錯誤を重ね10年でようやく餌の品質が安定。餌やりの回数が減り、搾乳量も増えた。画期的で先進的な取り組みが評価され、令和4年には農林水産祭天皇杯を受賞。全国から視察団が訪れるまでになった。
平成30年から代表取締役を務め、若手の育成にも貢献する。「今は農家が減って、若手は切磋琢磨できる仲間が少ない。組織という強みを生かして協力したい」。餌の配合の参考にするため、年に2回、利用農家を回って牛の様子を見る。若手へアドバイスもする貴重な時間。誰でも同行でき、他の農家の技術を学ぶ機会にもなっている。
みんなで会社を立ち上げてもうすぐ20年。組織で取り組むことで地域全体の搾乳量が増えて、若手育成にも取り組めている。「これからも会社が農家をつなげ、より一層旭志の酪農を支える存在にしていきたいね」
■「菊池人」希望者を募集します
新しいことに挑戦している人、伝統を受け継いでいる人など、菊池で頑張っている人を募集します。本市在住であれば自薦・他薦は問いません。詳しくは市長公室までお問い合わせください。
問い合わせ先:市長公室広報交流係
【電話】0968-25-7252
