- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県長洲町
- 広報紙名 : 広報ながす 2025年8月号(第1097号)
この町で生まれ、この町で育ち、そして今、ふるさと長洲町を思う…。このコーナーでは、さまざまな分野で活躍する長洲町出身の人を紹介します。
◆西尾 果連(にしお かれん)さん
(JR九州所属:腹赤区出身)
第75回全日本実業柔道団体対抗大会 女子第2部 優勝
(PROFILE)
2000年7月12日生まれ。腹赤区出身。腹赤小卒業。
◇柔道との出会いは世界を制した親族
幼いころから柔道が身近な存在だった西尾さん。特に影響を受けたのは、西尾さんの母のいとこにあたる西田優香さんと西田泰悟さんだ。優香さんは、2010年の世界柔道選手権大会で優勝するなど数々の国際・国内大会で優勝。弟の泰悟さんも、全日本選抜柔道体重別選手権大会に出場経験があるなど実力者の姿を身近に見てきた西尾さん。いつしか2人のように日本や世界で活躍できる選手になりたいとの気持ちが芽生え柔道を始めた。
柔道を始めた西尾さんは、すぐに頭角を現し、九州少年柔道大会熊本県大会では小学3年生で初優勝。そこから4連覇を果たし、6年生のときには九州少年柔道大会でも優勝し九州チャンピオンに輝いた。
中学生・高校生時代は、更に高みを目指すために柔道の強豪校である敬愛中学校・敬愛高等学校(福岡県北九州市)に進学し、九州中学校体育大会や全九州高等学校柔道競技大会優勝など、輝かしい成績を残してきた。
◇柔道人生のターニングポイント
小学生時代から柔道家として活躍してきた西尾さんが柔道人生のターニングポイントと話したのは大学時代だ。背負い投げのような担ぎ技を得意としてきた西尾さんは、山梨学院大学柔道部で西田孝宏監督と出会い、大きな刺激を受けた。
西尾さんは、「担ぎ技とは反する足技の内刈を徹底的に学んだことで柔道の幅が広がり、実業団でも戦える選手になれました」と当時を振り返った。
◇悲願の団体戦初優勝
6月7日、8日に、北海道立総合体育センターで開催された「厚生労働大臣杯争奪第75回全日本実業柔道団体対抗大会」。西尾さんが所属するJR九州は、全国の企業などから20チームが参加した女子第2部にエントリー。
頂点にたどり着くためには全4試合を制する必要があり、どの試合も容易な相手ではなかった。
今大会の大きな山場は第3試合のヤックスA(千葉市)との試合だったと話す西尾さん。対戦相手は、全日本強化選手であり、これまでに一度も勝ったことがない相手だった。そのため、「自分の中で勝てるイメージがなかった」と話した西尾さんだが、「チームのためにも負けることはできない。」「相手を研究し一本背負い投げや足技で投げるイメージ」を作って挑んだ試合。西尾さんは、そのイメージどおり一本背負い投げで相手選手を下し、大きな山場を乗り越えた。西尾さんに続きチームも勢いに乗り、決勝戦も見事勝利。悲願の初優勝を果たした。
◇今後の目標は
「全日本選抜体重別選手権大会に出場することですが、今は8月に開催される実業団の個人戦で優勝して次の試合へと繋げることが目標です」と話す西尾さんの挑戦はまだまだ続く。
