- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県長洲町
- 広報紙名 : 広報ながす 2025年11月号(第1100号)
◆井上瑞基(いのうえ みずき)さん(建浜区)
◇幼少期からの変わらぬ夢
幼い頃から車が好きだった井上さんとレーシングカーとの出会いはとても些細な瞬間だった。ある日、偶然テレビで放送されていた「SUPER GT」に魅了され、井上さんは食い入るようにテレビに夢中になっていた。この瞬間が井上さんの人生を大きく変えた。
それからは、休日はレースの観戦に行き、小学1年生の終わりにはキッズカートスクールに入学。Micro MAX(8馬力125cc)クラスからレーサーとしての道を歩みはじめた。
◇憧れの選手に近づくために多くのステップアップ
井上さんはレーサーとしての道を歩み始め、多くのステップアップをしてきた。小学4年生の時には九州大会へ出場し、小学5年生で全国大会、中学1年生では日本代表になり、世界大会へも挑んできた。
昨年から、最高速度が120kmまで到達するSenior MAX(30馬力125cc)クラスにステップアップした井上さんは、「来シーズン(令和8年3月〜7月)のROTAX MAX CHALLENGE SUZUKAへ出場し、好成績を残して、さらに次へステップアップをするつもり」と話す。
井上さんの見据える先には、「SUPERGT」で活躍する山本尚貴選手がいた。彼は井上さんの憧れの選手であり、彼と同じステージの日本最高峰カーレース「SUPER GT」へ出場し、優勝することが井上さんの目標だ。
◇優勝をつかむためのたゆまぬ努力
幼い頃からレーサーとして活動をし、多くの成績を上げてきた井上さんだが、その背景には多くの努力の形があった。
長洲町付近にはレーシングカートの練習に整った環境がないため、井上さんは大村市(長崎県)や宇佐市(大分県)などの遠方で練習をしながら、2カ月に1度は鈴鹿サーキット(三重県)まで行って、レースを見据えた練習を行っている。
遠征の回数や練習時間などが限られているなかで、井上さんが幼い頃から続けていることがある。それは、レースが終わると必ず反省点をノートに書きあげることだ。コースの中で注意する場所や各レース後に、メカニックと話し合いエンジン部分などの微調整を事細かにノートに記入し、次の練習やレースに生かしている。
この一つ一つの努力の積み重ねが井上さんの成長に結びついているのだ。幼少期からの変わらぬ夢に向かって、これからも井上さんは一歩一歩挑んでゆく。
