くらし くらしと人権 Vol.69

■ルッキズム(外見至上主義)を考える
○ある男の子のお話
ある男の子がいます。お母さんと一緒に外へお出かけです。出会った子どもたちが振り返り追いかけてきて、からかいの言葉を投げつけます。お母さんは、その子どもたちに言葉を返します。「そんなこと言わないでくれるかな。言われると悲しい思いをしちゃうんだよね。」それは、お母さんの心からの願いであり、怒りをこらえて勇気を精いっぱい振り絞っての言葉でもありました。
「自己免疫疾患による汎発性円形脱毛症(全身脱毛症)」という病気は、その子から髪の毛はもちろん全ての毛を奪っていきます。子どもだけでなく、中には大人でさえも指をさしながら、「あらー、髪のなか。」と声をあげる人もいたそうです。お父さんは、最初は頭が真っ白になり、声も出せず、動けなくなったそうです。時には、からかいに対して「何がおかしい」と声を荒らげることもありました。
でもある時、気づかれます。我が子への心ない言動に怒りで対応しても何も解決しないことを。そのきっかけはお母さんの冒頭の対応でした。そこから、お二人はどうしたらこの子が髪の毛がないことを、病気を気にせずに生きていけるだろうか、と考えられます。
そして、たどり着いた答えは、この子の病気のこと、当人の気持ち、そして家族の思いや願いを広く知ってもらうことでした。その方法として、一冊の絵本を作られます。本の題名は『つるつるのおとうと』。この絵本は実際にあった事柄、交わした言葉、抱いた感情や思いで構成されています。
また、この絵本と共にお父さんは講演にも力を入れておられ、一人でも多くの方に知ってほしい、考えてほしい、という思いで活動しておられます。
この度、和水町中央公民館、三加和公民館の図書室にも購入していただきました。ぜひ、手に取ってご覧ください。
私たち人には、見た目を揶揄(やゆ)したり、いじったりする癖(へき)のような傾向があります。「ルッキズム(外見至上主義)=人の外見のみを重視して判断したり、容貌や容姿を理由に差別的な扱いをしたりすること」にも通じるものかもしれません。

問合せ:社会教育課 地域人権教育指導員
【電話】0968・86・2022