- 発行日 :
- 自治体名 : 大分県竹田市
- 広報紙名 : 広報たけた 2025年12月 NO.249
岡藩3代藩主・中川久清を主人公にした時代小説『登山大名』(日本経済新聞出版)の著者・諸田玲子さんをお迎えし、10月12日に講演会、13日にはギャラリートークが開催されました。
■久清公ゆかりの地「久住」で開催
講演会は、久清公ゆかりの地である久住町で開催され、会場となった久住高原ホテルには市内外から約100人が来場しました。講演では、諸田さんの作品執筆のきっかけや、中川久清公への思い、『登山大名』という題名の誕生秘話など、ここでしか聞けない貴重なエピソードが語られ、来場者は熱心に耳を傾けていました。
■諸田玲子さんと土居市長ギャラリートーク開催
13日には、竹田市歴史文化館・由学館にてギャラリートークを開催。同館で開催されていた、企画展「中川久清の時代と『登山大名』の世界展」を観覧後に、諸田さんと土居市長が登壇し、中川久清公の人物像や小説の背景について語り合いました。諸田さんが語った思いの一部をご紹介します。
▽中川久清公を小説の主人公とした理由は?
九州には縁がなく、当初はまったく知らない人物でしたが、竹田市出身の大学の先輩から、竹田のキリシタンの面白さを教えてもらい、訪ねてみたのがきっかけです。調べていくうちに中川久清という人物は謎が多く、「このお殿さまはいったい何者なのだろう」と興味が尽きませんでした。なぜ大船山を愛し、お墓まで築いたのか。その心に迫らないと書けないと思い、コロナ収束後、真っ先に大船山に登ったときに物語の構想が浮かびました。
▽存命中に描かせた肖像画に、一緒に詠まれている和歌についてどのように感じますか?
[和歌]
「もとむべき かくれがもなし おのづから 山よりおくの山を心に」
「しずかには 住えましとは おもへども山より 山のおくをたづねん」
この和歌は小説にも取り込んでいます。久清公の時代は、江戸時代初期のまだまだ混乱期であった時代で、江戸や京都などから離れ山々に囲まれた岡藩に集まった、さまざまな人を“自分が守るのだ”、“理想郷を作るのだ”といった志を感じ取りました。こうした志を感じ、久清公を益々好きになっていきました。
▽展示を見ての印象は?
肖像画の「目」が、とても印象的でした。なぜ、あのような目を描かせたのか。何かを語りかけてくるように感じる目がとても魅力的でした。
土居市長は最後に、「地方創生のきっかけとして『登山大名』を活かし、竹田市を盛り上げていきたい。すでに入山公廟ツアーなどで全国から多くの方が訪れており、小説ツーリズムは始まっている。今後も積極的に発信していきたい」と述べました。
小説『登山大名』(日本経済新聞出版)は、今年10月に上下2巻の単行本として出版されています。竹田市立図書館でも貸し出しをしていますので、ぜひお読みください。
■岡藩3代藩主・中川久清
岡藩中興の英主とも称され、城原井路を造るなど、藩政の改革を行った人物。一方で「入山」と号し、大船山に人馬鞍を活用して登山し、自身の墓所も建てている。
