文化 【歴史探訪】県指定有形文化財 平尾社鳥居

神社に行くと石鳥居を目にすることがありますが、これらのほとんどは道路や石材の運搬手段が発達した江戸時代以降に建てられたものです。江戸時代より昔に建てられた石鳥居は全国的に極めて少なく、そのような貴重な石鳥居が豊後大野市内に8基確認されています。
今回ご紹介する平尾社鳥居(千歳町新殿)は、南北朝時代の観応2(1351)年に建てられたと伝わる石鳥居です。豊後大野周辺に多量に分布する良質な石材である溶結凝灰岩を利用して造られています。全国的に見ても珍しい八角柱のような形の柱が特徴で、そこには過去の鳥居の修理の履歴が刻まれています。柱の銘文によると、観応2年の鳥居建立の後、永正6(1509)年、寛文12(1672)年、享保8(1723)年、文化7(1810)年に修理と再建が行われたと記されています。柱などの壊れた箇所は取り替えながらも、当初の形を守りながら大切に伝えられてきたことがわかる貴重な文化財です。

問い合わせ先:豊後大野市資料館ジオパークミュージアム
【電話】0974-24-0040(月曜・祝日休館)