くらし [特集]日本の神楽を世界の「KAGURA」へ

~めざせ!2028年「神楽」ユネスコ無形文化遺産登録~

神楽の2028年ユネスコ無形文化遺産登録に向けた取り組みを進めています。神楽は、全国各地で独自に発展し、地域に深く根づいてきた、日本を代表する民俗芸能で、その数は4千を超えます。しかし、人口減少や少子高齢化などにより、その保存・継承が危ぶまれています。全国各地の神楽に活気をもたらし、未来につないでいくために、神楽のユネスコ無形文化遺産登録を目指します。

■ユネスコ登録の意義・効果
◇世界に向けて神楽の価値を発信
・神楽の価値向上
・保存・継承への意欲向上
・地域活性化、地方創生の実現

■神楽ユネスコ登録に向けた主な動き
平成28年11月 九州の神楽ネットワーク協議会設立
令和3年7月 全国神楽継承・振興協議会設立準備会発足
令和4年10月 全国神楽継承・振興協議会設立
令和5年9月 国への要望(協議会、宮崎県)
令和7年3月 神楽継承・振興知事連合設立
令和7年5月 「神楽」ユネスコ無形文化遺産登録推進総決起大会開催 国への要望(協議会、知事連合)

■神楽の魅力・価値
◇世界に誇る我が国固有の貴重な文化
・日本全国の各地域で継承
⇒全国に4,000以上の神楽が現存
北海道から鹿児島県まで、全国各地の風土に根ざして発展
・我が国の地域社会を形成
⇒古来より神楽を中心として地域の絆が受け継がれる
・日本の芸能の源流
⇒能楽の起源ともいわれ、歌舞伎にも影響
・高い学術的価値
⇒重要無形民俗文化財(国指定)40件
「早池峰神楽」(岩手県花巻市):2009年ユネスコ登録
「佐陀神能」(島根県松江市):2011年ユネスコ登録

◎2つの神楽については既に個別にユネスコ登録されているけど、今回は日本各地にある「神楽」を一括でユネスコ登録することを目指しているよ。

◆「神楽継承・振興知事連合」設立
今年3月24日、本県の河野知事が発起人となり、「神楽」の2028年ユネスコ無形文化遺産への登録を目指して、「神楽継承・振興知事連合」を立ち上げました。
立上式で、河野知事は「神楽は貴重な文化でありますが、人口減少や過疎化が進み、保存・継承が極めて厳しい状況に直面しています。この状況を打破するためにユネスコの登録を目指します。」と述べました。6月30日現在、知事連合は全国34道府県の知事で構成されています。
また、登録に向けたさらなる機運醸成を図るため、5月23日には、全国神楽継承・振興協議会と知事連合の主催で、「総決起大会」を開催しました。神楽保存団体や知事連合のメンバー、国会議員、学識経験者などが一堂に会し、全国の関係者の熱い思いが一つとなりました。

■県内各地の主な神楽
ここでは国指定重要無形民俗文化財の神楽を紹介します。
(1)高千穂の夜神楽
神楽33番のうち夜明け頃に奉納される「岩戸開き」に関する演目を重要としている神楽。
(2)米良の神楽
さまざまな土地の神様が登場する演目や、狩猟に関する演目が特徴的な神楽。
(3)椎葉神楽
神仏混淆の古い形を残し、狩猟や焼畑など山の生活を反映した演目が多い神楽。
(4)高原の神楽
真剣を用いる演目が特徴的で、霧島連山に対する修験の影響を色濃く残している神楽。

宮崎県内には約200の神楽が伝承されています。各地を回ると、しつらえや番付、衣装などもそれぞれで違います。各地域で異なる神楽の魅力を発見してみてください。

■バーチャル神楽展開中
バーチャル神楽とは、県が制作した神楽に関するVR動画、メタバース、インタビュー動画、面みくじのコンテンツの総称です。
宮崎の「宝」である神楽をぜひ体験してみてください!
コンテンツの一つ、面みくじとは、宮崎県の伝統的な神楽で使用される4種類の神楽面からあなたの運勢に合った一つが現れるおみくじです。
神楽のお面で今の運勢を占ってみるのはいかがでしょうか!

お問い合わせ:
・文化財課
【電話】0985-26-7250
・みやざき文化振興課
【電話】0985-44-7099