イベント ホセの目に映る世界

■ベル・リンギングに参加して

先日、私はポーツマス条約締結120周年のため、市長と日南の訪問団に随行してポーツマス市を親善訪問し、条約締結を記念するベル・リンギングに参加させていただきました。はじめは、日南市長の通訳をしながら、時差ぼけと現地の知事や市長などを前に緊張し、気後れしてしまいました。ところが、ベル・リンギングを始めた瞬間、私の緊張は解け、お互いの立場の違いも忘れ、その場にいる全員が祝いを楽しんでいました。参加していたポーツマスの市民の中には、私たちを驚かせるほど流ちょうな日本語を話す方々もいて、ある方は、市長と私がたくさん話して喉が渇いているだろうと気遣って、水を差し出してくださいました。その心遣いに触れたとき、私は気持ちの落ち込みを吹き飛ばし、祝いの雰囲気に飲み込まれました。ベル・リンギングが終わった後、私は改めて気付きました。あの条約は平和をもたらすことだけではなく、地球の反対側に住む人々の運命を結びつけ、大洋と時代を超えて織りなす「縁」を生み出したのだと。だからこそ、このような瞬間が訪れ、これからもまた新しい出会いと伝統を続けていけるのだと。そして、120年前からつながるその「縁」を受け継ぎながら、新しい瞬間を刻んでいけるのだと。最後に、このコラムに協力してくださった写真家のカリーナ・クイーンテンさん、ポーツマス市民の皆さんに感謝します。