くらし 地方独立行政法人西都児湯医療センター

令和6事業年度および第3期中期目標期間の業務実績に関する評価結果について

西都児湯医療センターは、公的な病院運営を目的に本市が設立した地方独立行政法人であり、業務実績や目標達成の状況について、市の付属機関である「評価委員会」の意見を聞いて市長が評価した結果を公表し、議会に報告することが定められています。令和7年8月に、令和6年度の評価と第3期中期目標期間(令和4年度から6年度まで)の評価を行いました。

■地方独立行政法人の仕組み

■01住民に対して提供するサービス
◇常勤医師の数
令和4年度末に2人退職、令和5年4月に1人着任、10月末に1人退職、令和6年4月に1人着任されています。

◇救急車受入件数
西都児湯地域で唯一の内科・外科の夜間急病センター運営(一次救急医療)や、入院治療を必要とする救急患者の治療(二次救急医療)を行っています。

■02財務内容
◇新規入院患者数
病床利用率は患者さんの入院日数が伸びても上昇してしまうため、新規の入院患者数も重要となります。こちらも収益性を判断する指標の一つです。

◇経常損益
本業の医業およびそれ以外から出た利益から、かかった費用を差し引いたもの。プラスは黒字、マイナスは赤字を示します。

■令和6事業年度の業務実績に関する評価
◇成果があった取り組みなど
・「緊急性の高い脳疾患や地域に不足している内科疾患における二次救急医療の提供」において、内科の常勤医師1人を確保できた。
・「地域医療連携の推進」においては、昨年度より改善できている。
・「その他業務運営に関する重要目標を達成するために取るべき事項」については、二者協議や市担当課との協議を通じての情報共有や市担当課と共に他自治体の新病院視察を行うなど市と連携した取り組みについては評価できる。

◇評価にあたっての指摘など
・「緊急性の高い脳疾患や地域に不足している内科疾患における二次救急医療の提供」において、住民が望んでいる医療サービスが十分に図られていないことについては早急な改善を求める。
・「在宅医療の充実に向けた支援」においては、早急に常勤医師を確保し、患者に寄り添った医療サービスの提供に努めていただきたい。
・「財務内容の改善に関する目標を達成するために取るべき措置」については、常勤医師確保を最優先事項として努め、早期の経営改善及び安定化に努めるよう強く求める。

■第3期中期目標期間の業務実績に関する評価
◇成果があった取り組みなど
・「住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するために取るべき措置」について、臨床研修医などの積極的な受け入れや健診などの実施による疾病予防の推進などについては評価できる。
・「財務内容の改善に関する目標を達成するために取るべき措置」については、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の採用促進に向けた取り組みを行い、医薬品購入費の減少や患者負担額の減額で成果を上げている点は評価できる。

◇評価にあたっての指摘など
・特に、住民が望んでいる医療サービスの「緊急性の高い脳疾患や地域に不足している内科疾患における二次救急医療の提供」が図られていないこと、また、「初期救急医療体制の維持および充実」が遅れていることから早期の改善を求める。
・職員のモチベーション向上につながる人事評価制度の運用や、医療の質の維持向上を図るための病院機能評価の活用については、引き続き調査を行い取り組んでいただきたい。
・今以上の経営改善については常勤医師の確保が必要不可欠であるとの意見もあることから、常勤医師確保を最優先事項として早期の経営改善および安定化に努めていただきたい。

◇全体評価
特に、脳神経外科や呼吸器内科などの常勤医師の確保と診療機能の充実による経営の安定化が喫緊の課題であると考えることから、常勤医師確保を最重要課題と位置づけ、地方独立行政法人の特長を最大限に生かし、より一層質の高い医療を提供するとともに、患者サービスの向上を図り、公的病院に求められる役割を継続的かつ安定的に果たす健全な病院運営を求める。