くらし 負担が少なく体に優しい入浴方法 砂むし温泉の魅力をデータで明らかに

砂むし温泉は温泉総選挙2024の「湯治ウェルネス部門」で全国1位に輝き、観光客や市民など年間約25万人が訪れる指宿を代表する地域資源です。
砂むし温泉の魅力をさらに高め、観光客や市民の健康づくりに役立ててもらおうと、筑波大学や鹿屋体育大学と連携し検証試験を実施しました。

■検証方法
市内在住の20~40歳の健康な成人男性14人を対象に、昨年11月から12月にかけて計3回実施しました。
被験者は砂むし温泉・温浴・サウナの3つを別々の日に入浴し、深部体温(胃腸の温度)や、呼気から得られる二酸化炭素濃度の測定をした他、入浴時の快適性などの聞き取り調査を行いました。

■データで得られた砂むし温泉3つの効果
1.湯あたりなどのリスク低減
サウナや温浴では、入浴中に血液中の二酸化炭素濃度の低下が見られましたが砂むし温泉の入浴中は一定という結果が出ました。このことから砂むし温泉では、脳の血流低下による失神や湯あたりのリスクの軽減につながる可能性があります。(グラフ1)

2.急激な体温上昇の抑制
深部体温は、サウナや温浴と比べて上がりにくいことが確認されました。深部体温が過度に上がると、過呼吸や心拍数上昇などで体にさまざまなストレスを招きます。深部体温が上がり過ぎないということは、ストレスなく安全に体を温めることができるということになります。

3.不快感の低減
入浴時の熱的快適性はサウナや温浴と比較し、不快感が低いことが分かりました。

■世界中の人が注目する温泉へ
今回の比較検証から、砂むし温泉はサウナや温浴と比べ、入浴中の息苦しさや不快感など体にかかるストレスが少なく、安全に血圧を下げる効果(グラフ2)があり、無理なく入浴を続けやすい温泉であることが分かりました。世界的にも珍しい砂むし温泉が、今後も市民や観光客の皆さんだけでなく、スポーツ合宿で訪れるたくさんの人に利用されることが期待されます。